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□Welcome 非現実的世界
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さっきまで私はいつもの平和な日常生活を送っていた。普通に楽しくて、普通に友達がいて、普通に1日が過ぎていって、それが私の普通の日常、平和な毎日。そりゃあ一度くらいこんな普通過ぎる日常から抜け出して、漫画みたいな刺激的な日常を過ごしてみたいと思ったことはあるが、それはムリな話。でも、そのムリな話が実現したらどうなるんだろう…それが本当になったら私はどうするんだろう…







ふと、突然起きた出来事に私はそんな現実逃避をしてしまいたくなった。


「………」


一体全体今、現在、私の目の前で何が起きているのでしょうか?いや記憶喪失とかじゃないから、ほらアレよアレ。だって、ただ普通に廊下を歩いてただけなのに目の前に人、というかゴリラが吹っ飛んできて、その後に「いい加減にしろよゴリラがぁぁぁ」と言って、ある教室から般若に近い表情をした綺麗な女子生徒が吹っ飛んできたゴリラに跨って、息の根を止めようとしている。そして、それを瓶底メガネの女子生徒が「行け姉御ォォォ!!」と応援していて、これまたメガネの地味な男子生徒が「姉上止めて下さいッ近藤さんが死んじゃいます!!」と慌てた様子で止めようとしていたが瓶底メガネの女子生徒に「黙れヨダメガネ!!」とこれまた吹っ飛ばされた。


それを私は地獄絵図のようだ、と廊下に飛び散っている血痕などを見て思った。そして、ぼーっとその様子を見ていたら次に教室からこの音を聞きつけてか黒髪のカッコいい男子生徒が「ぅおっ何やって…って近藤さんが死にかけてんじゃねーか!?」と言って現れた。

つーか音が気になって来たんじゃないのか…しかもカッコいいけどよく見たら瞳孔開いてんじゃん!!目付き悪くて怖いじゃん!!と心の中で密かに思ったことは内緒だ。


「止めろよ志村ッ」

「あら土方君、そんなに慌ててどうしたの?」

「近藤さんが死んじまうだろ!!」

「近藤さん?…あら土方君、ゴリラをさん付けしなくたっていいのに。それにゴリラが死んでくれたらみんな喜ぶわ」


ふふ、としおらしく口元に手を当てて笑っている姿はとても綺麗だが反対の手には血がべっとり付いているので綺麗だけど怖い。そして、瞳孔、もとい土方という男子生徒と般若、もとい志村という女子生徒が話している最中に「死ねよ土方ァァァァァ」という恐ろしい単語が聞こえたと思った瞬間、ドーンッと狭い廊下で爆発が起きた。

パラパラと爆発の衝撃で私の近くの壁が崩れ、直撃したであろう廊下は煙を上げ、粉砕状態に近い。そして突然の爆発音に驚いた私は尻餅をついて、煙が上がって姿が見えない土方、君が大丈夫かと思って見ていると、教室から現れた茶髪のこれまたカッコ可愛い男子生徒も「とうとう殺ったかねィ」とにこやかな笑顔で煙の方を見ていた。だが、晴れてきた煙の中から地を這うような低い声が聞こえ、大丈夫だったのかなと思っていると、ずんずんと茶髪の男子生徒に近づいていき、「危ねェだろコラァァァ」と胸倉を掴んで叫びだした。それを右から左に受け流すように茶髪の男子生徒が飄々と「無事だったんですかィ……チッ」と舌打ちすると「上等だテメェェェ」とまた土方君が怒鳴った。そして私はただただその様子を傍観しているだけ。

やっぱり3Zは違うや、と改めて思い、気づかれる前に逃げようと座り込んだまま後ろに後退していくとドンッと背中に何かが当たった。何?と思って頭上を見上げてみると、清潔感があまりないヨレまくっている白衣、そして目に嫌でも入る天然パーマの輝く銀髪。

そう3Zの担任、坂田銀八。全然先生に見えないが一応しっかり教員免許を持っているらしい。


「オメーら廊下でギャーギャーうるせーなァ。思春期真っ盛りな餓鬼ですかコノヤロー」


ガシガシとふわふわの髪をかきながらダルそうに言う先生。それを聞いた瓶底メガネの女子生徒が「銀ちゃん、また遅刻アルか」というと「いーえ遅刻じゃありません。ただちょっと便所してて遅くなっただけでーす」とやる気のない声で言うと復活したらしいメガネ男子生徒が「それを世間では遅刻って言うんですよッ」と先生にツッコミを入れていた。そして、それをまためんどくさそうに口を開いた。


「グダグダ言うなよ新八ー。だからテメーはいつまでも新八なんだよ。つーか…君何やってんの?」

「…へ?」


メガネ男子生徒にグダグダ言っていたと思ったら突然、死んだ魚のような目が私を捉えた。


「へ、じゃなくて何やってんのって聞いてんだけど」

「あっその、い、今から教室に戻るとこですッ」

「…ふーん」


慌てて立ち上がり先生にそう告げると何故だか先生は意味深に笑ったような気がした。そして「では失礼します!!」と律儀に頭を下げて、逃げるようにその場を立ち去った。後ろではまだ色んな音が聞こえていたが今の私はそれどころではない。


今は、元の平和な日常を取り戻したい!!




Welcome 非現実的世界

(平和が1番!!)

(…あいつ、面白いからZ組に移動してこねーかなァ)






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結局、何が書きたかったんだろ自分…




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