小話
□愛のための努力
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「サスケ。…ほら、これ」
「…………ナルト、一つ聞いてもいいか？」
「何だってばよ。人がせっかく渡しに来てやったってのに、その顔はよ」
「……お前は、俺が甘いもんを食えないって事は知ってるんだよな？」
「知ってるってばよ。前にその事知らないで普通にチョコ渡した時、お前ってば無理して死にそうな顔しながら食べてたもんな。よーく覚えてる」
「…なら、これは単なる嫌がらせか？」
「ちげーって。…いいから、取りあえず受け取れってばよ」
「………別に、俺は…どうしてもっていうわけじゃ……ねぇけど」
「別に、強がらなくてもいいっつーの。…オレだって、もうあんな汗ダラダラになりながら無理してるお前の姿なんか、見たくねーんだから」
「………じゃあ、何なんだよ」
「……いいから、早く袋開けろってば！」
「……………トマト…チョコ……？」
「最近流行ってる、ダイエット中の女性に向けたヘルシー志向の野菜チョコだってさ。本当はバレンタイン用のやつじゃねーけど、これならお前でも食べれるかもって思ってよ…」
「……下手な気遣いしやがって、このウスラトンカチ。野菜を使ってようが何だろうが、結局チョコと名の付くものならそれなりに甘い味になってるに決まってるじゃねぇか。もう少しよく考えてから買え」
「…っな…、うっうるせーってばよ！そんなもん食ってみなきゃわかんねー…かもしんねーだろ！」
「…わざわざこんなもん用意しなくたって、お前から貰ったもんなら、何だろうと食うのに変わりはねぇだろ。…無理してでも、な」
「……だから、無理はしなくていいって言ってんじゃねーか」
「無理してでも食いてぇって言ってんだ。黙って食わせろよ」
「……………」
「……………」
「……ど、どうだってばよ……食えるか…？…」
「……以前のやつに比べたら、幾分か甘味が抑えられていて食べやすいな。ちゃんとトマトの味もする」
「そ、そっか…。……へへんっ、やっぱりオレのチョイスが間違ってるはずなんてねーんだってばよ！さすがオレ！」
「フン…さっきまで心の底から不安そうな顔してた奴が何言ってやがる」
「だ、だって……やっぱ心配になるじゃねぇか！また、オレのせいでお前にあんな顔させるわけには…いかねーだろ…」
「……勘違いするなよ、ナルト。俺が嬉しいと思うのに、お前の持ってくるチョコの種類なんてもんはまったく関係無い」
「…？ じゃあ、何だってばよ」
「自分で考えるんだな。…ほらよ、お前も食べるか？」
「え、いいのかってば？」
「これを俺一人に食わせようとするってんなら、それこそお前の意地が悪いって事になるな」
「ふん、結局ギリギリのとこで強がってるんじゃねーか。サスケちゃんってばよ？」
「うるせぇ……ホラ、こっち来い。どうせなら俺が食わせてやってもいいぜ」
「…ばーか！遠慮するってばよ。……オレが食べさせてやってもいいけどな！」
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⇒おまけ
ホワイトデー編