12/07の日記

04:44
ただただサクラちゃんの幸せを願って
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※公開初日に観てきました。映画「THE LAST」のネタバレですが、基本的にサクラちゃん擁護を切々と訴えているだけで本編には触れていません。というか、本当にナルトとヒナタのただのラブストーリーなので私的に触れるところがありません。サクラちゃんのとあるセリフのみを取り上げて延々と語ります。

誰か一緒にサクラちゃんの幸せ願ってください。もうナルヒナ反対とかナルサクがいいとかそういう次元じゃない。サクラちゃんの笑顔が見られるならなんだっていい。ナルト殴ってもいい。つか一回殴らせろ。




















私はアニメの中だけで生きているのではなく、現実の私達の感情にも則した―葛藤や苦悩、挫折や後悔といったことを経て、たとえそれが端から見て綺麗じゃなくても「生きているなあ」と感じるキャラクターが好きです。


例えばまどマギでいえばさやかちゃん。彼女のように、好きな人のための一世一代の祈りが届かず、すべてが逆効果になり、友達を恨み、好きな人さえ恨み、親友を傷つけてしまった(それが最後に絶望して救われず本当に捨て駒みたいだった結末はもちろん好きじゃない)ような姿に、共感とかではなく生きているなあと思います。
それに相反して人気のあるほむらは、簡潔に言えばすべてをまどかの為だけに、まどかさえ居ればそれで…というキャラだけど、そういうものにはあまり魅力を感じない。ストーリー上で作られた存在としか思えないし、そんなわけないなあと感じる。特にあの話に関してはまどかがほむらにしてあげた事と、ほむらがまどかの為にしていることのバランスがとれていないと思うし、一度くらいまどかこの野郎と思って我に返ってもいいと思う。

まどマギの話は別にいいとして、要は「ずっと最初からその人を見ていた」「その人一人しか見ていなかった」ということが、これから先起こるどんな出来事よりも重要だとは思わない、ということ。変化して後から気付いたという気持ちが、先にもう持っていたというだけの気持ちに負けることは必ずしもないということ。


ナルトがヒナタへの愛を自覚するのは別によかった。彼は正直、他人からはっきりと好かれたことが少ない人だから、「最初からずっと見てくれていた」というポイントを高く評価するのが妥当だとは思う。
でもきっと、サクラちゃんが言うように「サスケに負けたくないというだけの対抗心でサクラを好きだった」という答えは自分では出していなくて、サクラがそう言うのだからそう受け取るしかなかっただけだと思う。そこまで考えられるはずがない。だって、今までずっと自分にとっての恋愛はサクラちゃん一人だけで、その為に何度も命をかけて彼女を守ってきたんだから。それは仲間に対してとは少し違うものだと、自分の中で決めて生きてきたのだから。
それを言ったサクラがどう思っていたのかははっきりわからない。でも確かなことは、サクラはサスケが好きだったけれど、ナルトも好きになっていったこと。二人を好きだったということ。そして、ヒナタが自分よりもずっと早くナルトを好きだったのを知っていたということ。
「より美しい形」「より優先されるべきこと」を彼女なりに考えてしまったのだと思う。それは責めるべきことではなくて、むしろ彼女の性格から考えればとても自然なこと。自分よりもふさわしい人がいる。そう思ってなんだかんだ応援していたけれど、いざすべてが決まればやっぱり悲しい。だってナルトは愛に飢えているから、そうやって事が進めば簡単に順路を辿って結論に向かっていく。道筋を示したのは自分。それはちょうど、青春を共にした幼馴染に結局「好き」であることを認められず、伝えられず、結婚式に親友として出席するような、そんな形。心から幸せを願っている。でももし自分だったら、なんて考えずにはいられない。

けれどもちろん何度か答えは出ていて、サクラが嘘でナルトに告白したのをナルトが拒んだシーンだったり、ペイン戦後にサクラが皆の前でナルトを抱きしめたシーンであったり。そうではないかもしれない、と感じる種。でもそれはあくまで「かもしれない」で、それが一番辛いのをナルトもサクラもわかっていて。サスケと和解した今、いつまでもその立ち位置でいる意味も理由もない。決着をつけなければいけないと感じた。それはナルトにはできないことだから、サクラがやってあげるしかなかった。彼女にとっても自分で引導を渡すことがナルトへの最大の敬意で、自分に対するけじめだった。そう思うしかない。それを感じると涙が出た。こんなに格好良い女性他にいないのに、どうして彼女が幸せになれないんだろう、どうして彼女じゃないんだろう、どうしてナルトは彼女への思いをそのまま貫けないんだろう。悔しくて、涙が出た。

私はやっぱり、「約束を守れない男が好きな人に告白なんてできない」とまで言っていたナルトがこうして簡単に言葉を曲げたことが許せない。恋心は移り変わるものだという話とは別に、彼の恋愛能力としての未熟さ、愛に敏感なゆえにすぐそれを求めて迎合してしまう人としての弱さが、許せない。サクラの気持ちが自分に向いているのに気付かず、「サスケを好きなサクラちゃん」が好きだった鈍感さが許せない。それを認めたうえで彼に「より近い幸せ」を与えてあげたサクラに、誰より幸せになってほしいと願わずにはいられない。

私にとっての救いは、ナルトにとってサクラはやはり大切な存在で、誰より頼れる保護者で、サクラもそれを認めたこと。引導を渡すと決めたのが彼女の方からだったこと。彼女が笑顔だったこと。そのシーンを岸本先生が「サクラとナルトがお互いに恋愛対象じゃないと知って決別するシーン」だと明言してくれたこと。エンドロールの最後にサクラの笑顔を用意してくれたこと。サクラ役の中村さんが「親心みたいな感じだけど、失恋気分を味わった」と言ってくれたこと。それと我愛羅役の石田さんが「サクラの幸せを願ってあげてください」と言及してくれたこと(笑)


まあ他に個人的な愚痴を言うならば、エンドロールはサクラの前(後でもいいけど)ネジの笑顔が欲しかった!あとナルトとヒナタの恋愛をあそこまで成熟させて描くならば、サクラとサスケの恋愛もきちんと進めてほしかった。「せっかく原作で描かれていない空白」を恋愛をテーマにやるって言ってるのに。サスケの扱い方もなあ。総出演時間十五秒くらいじゃないのかな。それであそこまでキャラデザとかやる必要があるのか。あと結婚に祝いくらいよこせよあいつ。
念を押すと、私はサスサクを推すのではなくただサクラに幸せになってもらいたいだけ。サクラの気持ちがすべてわかって包み込んであげられるっていう意味ではカカシ先生でもよかった。サスケはいつも留守にしてるし、少しくらい浮気してもいいと思うよ、サクラちゃん!上目遣いがうざくたっていいんだよ!むしろそれくらいないとあなたの不憫さを受け入れられないよ。


なんだかんだ言ってもしょうがないのでもう終わりにしますが、私の中で好きなNARUTOキャラ第一位がサクラちゃんで不動になったということと、誰より幸せになってほしいということが伝わればそれでいいのです。伝わらなくてもいいし、ただ主張したかっただけです。ナルトのことだって好きです。彼が幸せになってくれて嬉しい。それは誰より、サクラが望んだことだと疑っていません。


最後に、サクラちゃんになったつもりで一言。

「ナルトなんて捨ててやる、あんたなんてヒナタとくっつきなさい、しゃーんなろー。幸せになってね」

 

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