咲-saki-千里山side 長編夢
□第一章
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「むー…。わかんない。」
ただ今絶賛ベッドの上。
体調を悪くして早3日。学校の宿題のほかに受験勉強もしているのだけれども、どうしてもわからない部分があるのだ。
「ここも次学校に行ったときに聞こう。」
チェックをつけて次の問題へ進む。
コンコン
ガラガラ
病室のドアが開けられるとちょっと調子悪そうな姉さんと同じ制服を着た人が入ってきた。
「元気そうやな。」
「お邪魔します。」
「あ、えっと……。」
突然のことに驚いて何も話せないで居ると、姉さんが知り合いらしい人に支えられながら私のベッド横の椅子に座る。
「んっと…、勉強してたん?」
「そうだけど…。その前に、隣の人は誰なん?」
「あ、そやった。麻雀部で私の世話してくれてる」
「清水谷竜華です。よろしくね唯ちゃん。」
「よろしくおねがいします。姉さんがお世話になってるみたいで...。」
「あはは。それより唯ちゃんも千里山来るんやろ?怜が心配しててなあ」
「なんや人のせいにして。唯の牌譜見せたら『スカウトにいくんやー!』いうて聞かんかったくせに。」
「……え?」
「いやー、なんかあの牌譜見せられたらどーしても来年一緒に打ちたくなってなぁ。居てもたっても居られなくなって怜引っ張ってきてしもたわ。」
姉さんが来たから珍しいなとは思っていたけどまさかそんなことになっていたなんて…。
「っていうか姉さん。勝手に私の牌譜見せんといて。」
「別にええやん減るもんじゃないし。」
そりゃ減らないけどさ…。なんか恥ずかしいし。
あ、そんなことより
「竜華さん、その…今日、時間ありますか?」
「ん?いいけど。この面子で麻雀はちょっときついt「勉強教えてください!」……え?」
「あの、ちょっと解らないところが多すぎるので勉強教えてほしいな…なんて。」
「それくらいなら喜んで!未来の後輩で怜の妹である唯ちゃんのお願いならいくらでも聞くで。」
「ありがとうございます!!」
それから受験までの間、姉さんと竜華さんに勉強を教えてもらいながら千里山への思いを強めていった。