復活小説
□王子の可愛い姫。
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―夕方。
ふあぁ…。
1つ欠伸をしながらもヴァリアー邸に帰ろうとしている優佳。
後ろに怪しい影が忍び込んでるのを知らずに――。
バッ、と優佳の後ろを抱きしめるように捉えた。
――しまった、敵が残ってた……!?
不覚、と思いながらも気を失いそうになったが――、
「うしし、やっぱ優佳じゃーん♪」
と声が聞こえてきた。
さっきの怪しい影はベル王子だったのだ。
「…お、王子……?」
涙目になったのか声が変になりながらも振り絞って言った。
「涙目とかかーわい♪何、襲ってほしいn…
「Σなな、ば、馬鹿じゃないの!」
ふん、とそっぽ向きながらもすたすた、と歩いて帰ろうとする。
「待てよ、王子を差し置いて帰るなんて許さねーからな?」
とそういうと優佳の手をぎゅ、と握り締めた。
あぁ、なんだか久しぶりに手を繋いだなぁ、と思う優佳。
……………………。
長い間沈黙のまま歩いている。
沈黙を破ったのは王子。
「なー、お前今度蛙と出かけるんだろ?」
ぶす、と口を尖らせながらも尋ねた。
「…なんで知ってるの?」
きょとん、としながらも尋ねると、
「ばーか、姫のことなんてすべて見通しなんだよ♪」
いつものように白い歯を見せながら笑うと、
「だけどな――、"2人だけ"で出かけるの王子許さねーからな、王子も一緒に行く。」
照れてるのかそっぽ向きながらも呟いた。
優佳は嬉しいのか、にっこり、と微笑みながら、
「ありがとう、王子。」
と言った。
そのまま2人はヴァリアー邸に帰って行った…。
(ス:う"ぉ"おい!屋敷まで手繋ぐなぁ!暑苦しいぞぉ!)
(ル:まぁまぁ、いいじゃないの!青春でいいわね〜っ♪)
(レ:…むっ!許さん…!)
⇒おまけ+あとがき、