復活小説

□一瞬でいいから...
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「帰りましょう十代目!」




「――うん、そうだね。帰ろっか。」




「俺も部活ないしな。」




とある3人は仲良し――と言うべきだろうか。
いつも一緒に居る。




俺は沢田綱吉。




ボンゴレ"初代"ボスの血を引いているごくごく普通の中学生。



リボーンがきてから――、いろいろ変わったけど、
結構楽しい…かな?



どうしてそう思えるのかは――。




あの子に恋しているから――…。




教室を出ると、テクテク、と歩く。
窓から夕焼けが見える。




――綺麗だな。




ふと心の中で呟いた。




やがて下駄箱につくと、靴を変え外に出た。
運動場には、陸上部やソフト部なんやらで頑張っている生徒達があふれていた。




ツナはその姿を見、平和だな、と呟く。




校門に近づくと――、1つの影があった。




「――っ、骸…!?




「――テメッ、何しにきやがった!!」




バッ、とツナを庇うようにしながらダイナマイトを出す獄寺。




「クフフ、何を勘違いしていますか。
僕はある人と待ち合わせしてるだけですよ――。」





"ある人"――?




――なんか嫌な予感がしてきた…。





「――あっ、骸ー!」





この声は…。





優佳ちゃんだ…。




――そう、ツナは藍田優佳のことが好きで、告白出来ずにいる。





「遅いですよ、優佳。」




「ごめんね!あれ、ツナに隼人に武?どうしたの、今から帰り?」




今気づいたのかきょとん、とするが、




「気をつけて帰ってね!」




にこり、と微笑んだ。




――何で、優佳ちゃんが…?




「あ、そういえば言ってなかったよね。
あたし、骸と付き合ってるの!」




えへへ、と照れくさそうに笑う優佳。





――嘘だろ…。
優佳ちゃんが骸と――…?




「クフフ、用はそれだけです。また会いましょう――…。」




「ばいばーい!」




そういうと2人は去って行った。




「じゅ、十代目?どうしました…?」




いつの間にか俺は泣いていたんだ。




「ツナ…あいつのことが好きなんだな。」




ぽつり、と呟く山本。





――どうして俺じゃないの?

確かに俺は弱くて何も出来なくてダメダメツナと呼ばれているけど…。

キミを想う気持ちなら誰も負けないよ――…。

なのに、キミは骸を選んだんだね…。

一瞬でいいから――。


俺を見てほしい――…。





⇒あとがき、
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