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□妬かせ隊
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ーーある日のよろず屋。
「おはようございま……あれ?いい匂いする……。」
「あ、メガネくんおはよう。朝ごはんもう食べた?」
「メガネじゃなくて新八です。いや、まだですが……もしかして、これ作ったの……?」
「ちょうどよかったね。うん、基本私が作ってるよ。」
「すみませんでした!優佳さん、一生あなたについていきます。」
シュタッ、とすばやく地に片膝をつきながら言う新八。
「朝から何アルカ〜?」
「神楽ちゃんおはよう。そういえば酢昆布好きなんだって?
買ってきたからよかったら、どうぞ。」
「ありがとうアル!一生優佳についていくアル!」
またもや新八同様に、酢昆布をしゃぶりながら片膝をつく神楽。
「あらそう?ありがとうね二人とも。銀時起こしてもらえる?」
「「ハッ!!」」
すばやく銀時の寝てるであろう部屋の襖を勢いよく開ける二人。
「……う〜んん……。」
「「……いやいや。」」
バタン、と襖を締める二人。
「どうしたの?何か女の人の声が……、」
「き、ききき気のせいアルヨ!!?」
「そそそうですよ!!何で銀さんの部屋から女の人の声がっ……!!」
「ちょっとどいてくれるかな?」
「「アアァァアア!!」」
スッ、と襖を開きそこには、銀時と知らない女の人がいた。
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ーーここからは銀さん目線でいくぜ。
「……もふもふ。」
「……もぐもぐ。」
「……ねりねり。」
って最後の何!?練ってるだけだろォォォ!!言う必要あるゥゥゥ!?
「ねえ銀時、」
キタッ!!なんか知んないけど朝気づいたら、納豆女と寝てたし、それに関連する話だろ……!
「その女の人、誰なの?」
うっ……やめてくれよ、そんな顔すんなっ!!銀さんは優佳一筋だからァァァ!!
っていうか神楽たちも視線がいてぇーよ。何で睨んでるの?オレ、何かした?ねぇ、ちょっと。
「えーっと……あの……、実は、」
「よく聞けたものね……!そうよ!!私が銀さんの彼女よ!!」
何言いやがんだコイツはァァァ!!空気読めェェェ!!
「おまっ、違うからね!?」
「あらそうなの?」
「そうよ!羨ましいだろうけどもう手遅れなのよ!
そういうあなたこそ銀さんの何なのよ!?」
もうめんどくせーよコイツゥゥゥ!!誰か黙らせてくんねーかな、三百円あげるから。
「私?銀時の妻だけど、それがどうしたの?」
にっこり、と微笑みながら言う優佳は、可愛い。銀さんメロメロ……って違ァァァう!!
「つ、つつ、妻……ですって……!!……ひどいっ、私は遊びだったのね!?」
バシーン、と銀時にビンタをかますとダッ、と玄関へと駆け出すさっちゃん。
「いってぇ……!」
「……追いかけなくていいの?あの子、」
「いやいやなんでそうなるの!?オレはあいつと付き合ってるなんざ一言も言ったことねーよ!!」
「じゃ彼女の勘違いか。そうだよね、銀時が浮気なんてできるわけないもんね!あははっ。」
優佳はおかしそうに笑っていたが、神楽たちからみたら天然ドSに見えていたそうな。