A
□再会まで。A
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真選組の居間へと通された優佳。
「はい、お茶です。」
「ありがとう、山崎くん。」
「オレは真選組副長の土方だ。――で、お願いとはなんだ?」
「はい、探してる人がいるので、手がかりがあればと……。」
「人を探してるだぁ?どんなやつだ?」
「えっと……、銀髪でボサボサの人です。」
「優佳さん、そんな人どこにでもいまさァ。ほかに特徴とかなかったんですかィ?」
えぇっ!?抽象的だったの!?でも攘夷戦争に参加したことを言うのもなぁ……。
桂や高杉を指名手配犯として追っかけてる真選組だし。
「う〜〜〜ん、他ね……あ!剣……剣道が上手で強いんです!」
「いやそれもっと探しにくいから。レベル上がってるから。」
「えぇっ!?えーと……他ですね……。」
うーん、と腕を組みながら銀時の特徴を探す優佳。
「顔写真さえあれば一発ですがねィ。」
「顔写真……持ってない、です。」
そうか、その方法があったか!でもあいにく写真は持っていなかった。というか出会った時が戦争真っ最中なので写真どころじゃなかった。
「ありゃりゃ……、手がかりも何もなしですかィ。」
「参ったな……。」
くしゃ、と自分の髪の毛をかく土方に腕を組みながらため息をつく総悟。
「――おっ、いたいた!探したぞ、トシ!……ん、そちらさんは?」
「ああ、近藤さんか。その人は、優佳と言って人探しをして欲しいとの依頼だ。
優佳、この人が真選組局長の近藤さんだ。」
土方を探したであろうその人は、優佳にむかって一礼をするとコソッと土方に尋ねた。
「ゴリ……近藤さん、はじめまして。」
「いや、今ゴリって言わなかった!?」
「気のせいでさァ、ゴリさん。」
「総悟くゥゥん!!?」
「それよりだ。近藤さん、オレを呼んでなかったか?」
「それよりィィ!?っとそうだった!例の集団の居場所がわかった!」
「なに?」
ひそひそ、と2人で仕事の話をする。土方の眉がぴくり、と動いた。
「……参ったねィ。今すぐ総出で出掛けないといけねェ様子でさァ。
……あんたどーしやすか?」
「……今日は帰ります。また手がかりがあれば教えてくれませんか?」
すくっと立ち上がると、ぺこりとお辞儀をすると微笑みながら問う優佳。
「あァ、悪ぃな。また連絡する。とりあえず番号をここに……、」
「その必要はねぇでさァ。明日非番ですし、オレが一緒に探してやりまさァ。」
内ポケットからペンと紙を取り出し、番号を書かせようとするが、珍しくそれを止めたのは総悟だった。
「総ちゃん?…いいの?私は明日空いてるからいいけど……。」
「総悟……。なら、任せた。」
「構いやせん。暇つぶしにもなりやすからねェ。」
こうして銀時を探すのは総悟の仕事となった。
それを不思議に思う人は少なからずいた――。