▼7人と1人の転校生。

□【標的1】
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「――あっ、遅刻するかも!」




バタバタ、と階段から降りながら言うのは結梨。




「あら、もうこんな時間?お弁当は?」




「いい、向こうで何か買ってくわ!」




そういうと「行ってきまーす。」と玄関のドアを開く。



「あっ、結梨ー!向こうにも購買あるとは限らないからコンビ○にでも行ってきなさいよー!」



後ろから母の声が飛んだが無視した。




向こうとは"並盛"のことである。



私が転校する学校だ――。





「―ーったく、コンビ○に行く時間なんてないよ。」




ため息混じりで呟くと走り出す。





*************************



「ハァハァ…、これなら間に合いそうだな…。


ん?見たことない制服だ…。
もしかして、あれが転入してくる…、たしか…。




至門中学だっけ…?



呟くように言いながら、




長身の女性と後ろについていくように歩く少年2人



を眺める少年はツナだった。



「へ〜。背ー高いな〜。あの人3年かな?
たしか7人くるんだよな…。




にしても、何となく申しわけない気がするな…。



あの地震…オレ達が未来から帰ってきた時に起きたみたいだし…。」


ぼそっ、と呟くツナに、向こうの女性が



ギロッ



とツナを睨みつける。





「!!(怖っ、超にらまれた〜!!)」


ツナは、肩をすくみながら心の中で叫ぶ。



「と…とりあえず、転入生には近づかないとこ…。
もし話しかけられたら…逃げよう!



1人で決心するかのように言う。



すると、




「自分から話しかけろ、ダメツナ。

そんなんだから、友達が増えねーんだぞ。」





と声がしてきた。




声の主はリボーンだった。




「リッ、リボーン!!



ちょっお前、何してんだよ!!

学校にはついてくるなって言ってんだろ!?」




「そーはいかねーぞ。最近お前、気合い抜けてっからな。」



ツナの言葉に否定するように言うリボーン。



「まったく、ボンゴレ9代目からこいつも届いて、時間がねーってのに。」




「ん?9代目から?何だよそれ?」




ツナの問いにリボーンが、1通の手紙を見せながら、






「ボンゴレファミリー継承式開催の通知だ。」



という。




「継承式?…て誰が…?何をだよ?」




分からずに混乱するツナに、





「決まってんだろ。





お前が正式に10代目ボンゴレボスの座を、


9代目から引き継ぐ式典だ。


世界中のマフィアが盛大に集うぞ。」





と言い放った。




「んな―――!!

オレが正式に10代目ボンゴレのボスー!?」




頭を抱えながら絶叫するツナ。




「冗談じゃないよ!!マフィアのボスになんてならないって、いっただろ!?


これ以上マフィアとかかかわりたくないんだって!!




あ――!!聞かなかった聞かなかった!!

何も聞いてないからな!!オレは普通の中学生に戻るんだ!!




ツナの言葉に、リボーンが呆れながらも言う。





「何言ってやがる。ああ、それとボンゴレリングは肌身はなさず持ってろよ。


首にかけといてやったぞ。



「い゙っ!?」



キラーン、とツナの首のリングが光っていた。






(リボーンにみつからないように、

ベッドの下のゲーム機の箱の中の

ビニール袋の説明書に隠しておいたのに――!!)




「ガウ。」



「ナッツ、おまえもついてきたのかよ!!」



「グルル♪」



ナッツは嬉しそうに声を上げる。





「あーもー、なんでこーなるの!?」





「お前は世界一の殺し屋のオレをナメすぎだぞ。」



ため息をつきながら歩くと、1人の少女がいた。




「――ん?あ、あれも…転校生…?」
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