▼7人と1人の転校生。
□【標的3】
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チュンチュン...。
「いってきまーす。」
「はーい、いってらっしゃい♪」
鳥のさえずりの中、親子2人は挨拶を交わしていた。
「……………。
(リボーンの奴、結局昨日は帰らなかったな…。)」
キョロキョロ、とあたりを見回しながら心の中で呟くと、
「あ、エンマ君おはよう。」
と炎真を見つけると声をかけた。
「おはよ。」
首を小傾げながら横目で挨拶する炎真。
「昨日はありがと。ズボン縫ってもらって。」
「いいっていいって!母さん、世話焼くの好きだから。」
そこで会話が途切れたのか、てくてくてく、と歩く2人。
「(せっかく友達っぽくなったと思ったのに、
またフリダシに戻ったっぽいし…。
なんか、話すことないかな…。)」
ツナが心の中で呟いていたとき、
「ツーナー!炎真くーん、おはよーう!」
と後ろから結梨がやってきた。
「あ、結梨ちゃん。」
「本田さん…?」
「う、2人とも…何か堅い。」
苦笑を浮かべながら言う結梨。
「あー、じゃあ結梨でいいよね?★(黒笑」
にっこり、と微笑みかけながら言うツナに、
「う、いいよ。ちゃん付けよりはマシだし。」
苦笑を浮かべながら返す結梨。
「……じゃあ、僕も結梨でいい…?」
遠慮がちに尋ねる炎真に、
「うん、いーよ!じゃ私も呼び捨てで呼ぼうかな?」
「うん、いいよ。」
やんわり、と微笑みながら呟く炎真。
「あ、笑った!炎真の笑った顔、可愛いね。」
にっこり、と微笑みながら言う結梨に、
「……ありがと。」
照れと不満の混じった表情を浮かべる炎真。