▼other..

□怪力。
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「……はぁ。」



「どうした?静雄。」



「いえ、何でもないっス。」



トレッドの髪型をした青年が静雄の様子に気づき、声をかけるも、
静雄は何ともない様子を見せた。




「(はぁ…、しっかりしろオレ。)」




静雄は自分の頬をバシッと叩いた。




********************************



「あ゙ー…いつもの一つ。」




静雄は仕事を終えると、ファーストフードでコーヒーを注文していた。




「ありがとうございました。」




店員は笑顔でカップを静雄に手渡した。
静雄は受け取るなり店から出て行った。




「あっ、臨也!」




――ビキッ。
声の主より"臨也"という単語に静雄は、青筋を立てていた。




「い ざ や だとぉ〜?」





静雄はバキッ、と音を立てながら標識を折り武器にし、戦う準備を済ませていた。




「うわ、シズちゃんいたんだ。オレ、
優佳にだけ用あったのになぁ〜!




「―っ、優佳?」




臨也の言葉に静雄が反応したのか、臨也に目を向けるとそこには、
静雄の彼女である優佳の姿があった。




「あーシズちゃんっ!」




「な、その呼び方するんじゃねぇ!臨也を思い出すだろ!」




優佳の呼び方にイラつくように言い放った静雄。




「えー、可愛いじゃんっ!」




優佳は残念そうに呟いていた。




「まったくシズちゃんってば、相変わらず頭が堅いね〜!
じゃ、優佳ちゃん行こっか?」




臨也は優佳にそういうと、優佳の手を引っ張ろうとしたが、




「テメェ…、何気安く優佳の手を触ろうとしてんだよっ!!」




静雄が優佳の腕を引っ張り自分の胸におさめた。




「し、静雄っ。」




優佳は驚きながら、静雄を上目遣いで見つめていた。




「あ〜つまんないなぁ!――まあ、いつかシズちゃんの制御がきかなくなり、
優佳ちゃんを傷つける前に奪うからね♪」




臨也はそういうと渋谷を後にした。





「あのヤロウ…ふざけやがって!」





「落ち着いてよ、静雄。」





優佳は苦笑を浮かべながら静雄をなだめた。





「分かってる。」





静雄がそういうと、背中を見せながら、「お前も早く帰れ。」と冷たく言い放った。




「シズちゃん……。」





「…その呼び方、すんじゃねぇ。」





静雄は吐き捨てるように言うと、優佳とは反対の方向へと歩き出した。





「(シズちゃん…、最近冷たい…。あたし、なんかしたのかな……。
それとも、冷めてきたとか…?)」





優佳は心内で呟くと、ため息を漏らした。
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