復活小説

□叶わない恋。
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「ただいまー。」




私の日常はあえて変である。




「優佳っ、何やってんだよ!いつもより1分おせぇじゃん。」





……コイツは双子の兄であるツナ。




「あーはいはい、ゆっくり歩いてたもんでー。」




ここ、突っ込まないほうが安全。




いろいろと面倒だし、ツナ、意外と心配性だし。




「馬鹿かお前?ゆっくり歩いてて変な男に絡まれて連れ去られたらどうすんだよ!」




……そこまではしないと思うけども…。




「ないない、それはない。」




苦笑を浮かべながら手をぶんぶん、と振る優佳。




「分かってねーな優佳は。」




はぁ、とため息をつくツナ。





「(分かってないのはそっちだっつーの!!


私、いろんな意味で目つけられてますからね!?

ため息をつきたいのはこっちだよ…。)」



優佳はツナの妹だけあっていろんな人から目をつけられていたらしい。




「――で、今日も変な虫つかなかったよね?」




――出た。




これ、絶対1日1回は言われるんだよね…。




「はぁ、しつこいな!別についてなんかないってば!」




不機嫌になった優佳は部屋に戻ろうとするが、




ツナに腕を引っ張られ、気がつくとツナの腕の中にいた。





「――なっ、何してんのっ!?離してy「………だ。」……は?」





何を言ってるのか分からなかった優佳。






「嫌だってんだよ…。お前を他の男に渡したくない……。




大事な大事な…、妹なんだから――。





抱きしめながらぽつりぽつり、と呟くツナ。





「…ツ、ナ?」




そのとき、パッ、と優佳を解放するように腕を離す。




「……分かれよ、馬鹿。」




消え入りそうな声で呟くと階段をのぼるツナ。












大事な大事な…、妹なんだから――。





さっきの言葉が耳にこびりついて離れない。





「…どういう、意味…?……変なツナ。」





優佳は呟いた。






**************************






「気づけよ…、馬鹿。」



ため息混じりで部屋の中でぽつり、と呟くツナ。


















日本では、兄妹恋愛は法律で禁じられているのだから――。









end..





⇒あとがき、
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