復活小説
□いつでも待ってるから。
1ページ/5ページ
「やば、遅刻ー!」
優佳はバタバタ、と走りながら玄関のドアを開け外に出る。
「……あ、優佳?今日も遅刻?」
優佳の姿に気づき、声をかけたのは最近、隣の民宿に住んでいる炎真だった。
「そう!今日"も"なの!炎真君も?なら一緒に行く?
っても炎真君ついてこれるかな?」
優佳は苦笑を浮かべながらさらっと言った。
「僕はいいよ。」
「いいよって何?よかないからね!?じゃ行くわよ!」
優佳はそういうと炎真の腕を引っ張り走り出した。
「あっ、ま、待ってよ…。」
炎真は焦りながら、引っ張られるままに走っていった。
**********************************
「よーし、何とか間に合ったかな。」
「君、隣の高校でしょ?何勝手に入ってるの?」
校門の前に立っていた雲雀が、優佳に話しかけてきた。
「入ってませーん!そういう雲雀こそ、本当は高校生じゃないの?」
「さぁね。僕はいつでも好きな年齢だからね。早く行かないと遅刻するよ?」
「このサバ読み!じゃあね、炎真君!バイバイ!」
優佳は雲雀を睨みつけながら言うと、
炎真に向かって手を振りながら隣の高校へと走っていった。
「バイバイ……。フフ、優佳らしいや。」
炎真はおかしそうに笑うと校舎の中に入っていった。