復活小説
□夢。
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〜♪〜♪〜♪〜♪
「…なんだ、この音は?」
1人の青年こと紅葉は、音のするほうへと歩き出した。
「誰だ、そこにいるのは!」
紅葉は顔を出しながらしかめっ面で覗いていた。
そこには、紅葉の声が聞こえてないかのように、目を閉じながらバイオリンを弾いている少女がいた。
「……確か、優佳だったような。」
紅葉はポツリ、と呟くと優佳の近くに歩み寄り、
「貴様、優佳であろう?」
と声を出しながら尋ねた。
「何よ!何回も言われようとあたしの気持ちは変わらないから!
……あれっ、もしかして、シモンの守護者の…こ、紅葉さんっ?」
優佳は睨みつけながら叫んだが、相手が紅葉だと気づき慌てて頭を下げた。
「そうだが。それがどうした。」
紅葉はあっさりと認めていた。
「わーっ、ごめんなさい!てっきり親かと思ってて…。」
優佳は苦笑を浮かべながら何回もペコペコ、と頭を下げていた。
「気にすることはないぞ。頭を上げてくれないか?」
「で、でも…。」
「僕は気になどしておらん。だから頭を上げてくれ。」
「わ、分かりました。」
優佳は言われた通りに頭を上げ、紅葉をじっ、と見つめていた。
「しかし、吃驚しましたよー。紅葉さんがこんなところに出歩くなんて、
思ってもなかったんですから。」
優佳は苦笑を浮かべながら呟いた。