復活小説
□家庭教師。
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「ツナ君ツナ君っ!」
「何、母さん。いつもに増して機嫌がいいね?また父さんが帰ってきたわけ?」
母のご機嫌ぶりに気づいたツナはすかさず質問を投げつけた。
「違うわよ〜♪隣に優佳ちゃんいるでしょ?
その子の母からツッ君に家庭教師を頼まれちゃったの!」
母はさも嬉しそうに話し出した。
「は……?嘘だろ?」
「どうして嘘をつかなきゃならないのよ?明日からよ、頑張ってね♪」
「なっ、ちょっ……!」
ツナが言いかけるのと同時に、母はキッチンへと飛んでいった。
「ったく…しかも優佳のかよ。」
ツナはため息をついた。
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――翌日。
「(ゴロゴロしながら過ごす休日が丸つぶれじゃん…。
まぁ、優佳に会うならいいかな?退屈しのぎになるし。)」
ツナはたやすく優佳の家のインターホンを押した。
ピンポーン。
「は〜いっ!ツナ君、いらっしゃい!」
出て来たのは優佳の母だった。
「お邪魔します。」
ツナは爽やかな笑顔を浮かべた。
「どうぞどうぞ!優佳、ツナ君が来たで!」
「わーってるって!わざわざ言わんでもええねんっ!」
母の言葉に優佳が言い返した。
「(うわーすげぇノリノリだな…、さすが関西人。)」
優佳たち家族は関西人だったが、父の転勤で東京へとやってきたのだった。
「ほな優佳の部屋へどぞっ!後でジュース持ってくからね!」
優佳の母がそういうと、優佳を部屋に行くよう顎でしゃくった。
「ハイハイ。もう何勝手に家庭教師決めてんだか!」
優佳は文句を並べながら階段を上り、ツナもついていった。
「ほらっ、入りや!ちらかすなよ?」
「そういうお前が散らかしてんじゃないの?」
「うるさい!」
優佳は部屋に入るなりツナに注意をした。
「まあまあ片付いてんじゃん。じゃ、始めよっかー?(ニコォー」
「……えーもう?」
ツナの言葉に優佳は、げんなり、としながら呟いた。
「で、どこから?」
「えーっと……、二次方程式?」
「はぁ?お前…いくつ?」
「……17歳やろ?」
「何で疑問系!?」
ツナはため息をついた。
「仕方ないな。基礎から教えてやっから。」
ツナはそういうと、教科書を開きペンを握った。
「ふぁーい。」
優佳もツナにつられペンを握った。