復活小説

□家庭教師。
1ページ/4ページ





「ツナ君ツナ君っ!」




「何、母さん。いつもに増して機嫌がいいね?また父さんが帰ってきたわけ?」




母のご機嫌ぶりに気づいたツナはすかさず質問を投げつけた。




「違うわよ〜♪隣に優佳ちゃんいるでしょ?
その子の母からツッ君に家庭教師を頼まれちゃったの!」



母はさも嬉しそうに話し出した。




「は……?嘘だろ?」




「どうして嘘をつかなきゃならないのよ?明日からよ、頑張ってね♪」




「なっ、ちょっ……!」




ツナが言いかけるのと同時に、母はキッチンへと飛んでいった。




「ったく…しかも優佳のかよ。」




ツナはため息をついた。




************************************




――翌日。




「(ゴロゴロしながら過ごす休日が丸つぶれじゃん…。
まぁ、優佳に会うならいいかな?退屈しのぎになるし。)」





ツナはたやすく優佳の家のインターホンを押した。



ピンポーン。



「は〜いっ!ツナ君、いらっしゃい!」




出て来たのは優佳の母だった。




「お邪魔します。」




ツナは爽やかな笑顔を浮かべた。




「どうぞどうぞ!優佳、ツナ君が来たで!」




「わーってるって!わざわざ言わんでもええねんっ!」




母の言葉に優佳が言い返した。




「(うわーすげぇノリノリだな…、さすが関西人。)」




優佳たち家族は関西人だったが、父の転勤で東京へとやってきたのだった。




「ほな優佳の部屋へどぞっ!後でジュース持ってくからね!」




優佳の母がそういうと、優佳を部屋に行くよう顎でしゃくった。




「ハイハイ。もう何勝手に家庭教師決めてんだか!」





優佳は文句を並べながら階段を上り、ツナもついていった。




「ほらっ、入りや!ちらかすなよ?」




「そういうお前が散らかしてんじゃないの?」




「うるさい!」




優佳は部屋に入るなりツナに注意をした。




「まあまあ片付いてんじゃん。じゃ、始めよっかー?(ニコォー」




「……えーもう?」




ツナの言葉に優佳は、げんなり、としながら呟いた。




「で、どこから?」



「えーっと……、二次方程式?」



「はぁ?お前…いくつ?」



「……17歳やろ?」



「何で疑問系!?」




ツナはため息をついた。




「仕方ないな。基礎から教えてやっから。」





ツナはそういうと、教科書を開きペンを握った。




「ふぁーい。」




優佳もツナにつられペンを握った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ