▼School Life..
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「――ここが、ボンゴレ高校…?」
少女――、麻央は呟くように言った。
一般人である麻央が何故ボンゴレ高校に転入したのかは、
先週の出来事がきっかけだった――。
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母は幼児期に他界していたため、父と2人暮らしだった。
寂しくはあったけど、父が居たおかげで、楽しく過ごせていた。
あの事故が起こるまでは――。
「じゃあ、行ってくるな。」
父は鞄を手に持ちながら玄関のドアを開ける。
「うん、気をつけてよ!」
にっこり、と微笑みながら手を振る麻央。
まさか、数時間後父は母の元へ麻央をおいて逝ってしまうなんて――。
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「お父さんっ、お父さんーっ…!!」
父は事故に遭い病院へ運ばれた。
「麻央…、泣くな…。確かに、お前の傍にはいられないが……、
魂だけはお前の傍にいるぞ…。」
息切れをしながら途切れ途切れに言う父。
「もう喋らないで…!!」
「いいか麻央…、よく聞け…。
オレが死んだあとは…、
ボンゴレ高校に行け…。もう転入手続きは済ませている…。
そこに行って、校長にあったらオレの名を挙げてくれ…。
校長とは古い知り合いでな…。
なぁに、悪い人じゃない…、このオレが言ってんだからな…。」
ニヤリ、と口角を吊り上げながら笑う父。
「知り合い…?本当に、信じてもいいの?」
不安になり尋ねる麻央に、
「あぁ…、信じろ。大丈夫だ。
ただし、生徒たちはくせ者ばかりかもしれんが…。
大丈夫だ、みんな優しいはずだ…。
オレを追って死ぬ馬鹿だけはやめてくれよ…。」
フッ、と微笑んだまま目を閉じていった。
――それが、父の最期だった。
「お父さん…?お…、おとうさーんっ!!!!!!」
麻央は傍で泣き喚いた。
――お父さん、お父さんの遺言を守るよ…。
お父さんを追って死んだりはしない。
それと――、
ボンゴレ高校に行くよ……。
麻央は心の中で誓った。