▼School Life..
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「(――んん…、ここは…どこ?
真っ暗なところだなぁ…。
――あっ、向こうに光がある。そこに行ってみよ…。)」
少女は一筋の光に向かって走り出す。
「(やっと出れた……、――えっ、ここって…なんで、前の家が……!?)」
そこには、花畑の真ん中に1つの家があった。
「(確か、お母さんが亡くなる前まで住んでいたところだ――…。何で?)」
すると、向こうから声がした。
「――桐原…、麻央――。」
「(あっ…、この声……!!)
お母さんっ!!」
麻央は思わず叫ぶように言った。
うっすら、と人影が見えてくる。
向こうにいる女性はうっすら笑みを浮かべていて、隣の男性に肩を抱かれていた。
「麻央、何してんだよ、早くこっちにこい――。」
今度は男性が麻央に話しかけた。
「お父さんっ……!!どうして、どうして2人ともここに…!?」
じわり、と麻央の目から涙が溢れてくる。
「お父さん、お母さんっ!!」
麻央は走り出し、父と母のいる元へ行こうとするが、
走り続けるたび、だんだんと離れていく2人。
「お、お父さん?どうして離れていくの…、お母さんもっ…!!」
麻央は、途中で走るのをやめ、その場で泣き崩れた――。
「……お父さん、お母さん――、置いて行かないでぇっ……。」
ツーッ、と頬に涙が流れ落ちる。