無人探査機
□終焉の始まりの始まり
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「りのちゃんらしいね。見て、絵本がたくさん!」
「ほんとうだぁ!なにか読もうよ!」
「なにがいいかなぁ?」
「うーんとね、りのわ“かぐやひめ”がいいの!すごい好きだよ!!」
「そお?ぼくはよくわかんないよ……」
「すごくいいんだよ。きれいなお姉さんとか、なんかあやしいかんじでねえ。そーくんも読んでみなよ」
「考えとくよ」
何の気なしに呟く。
すると、爆風。
実は、後退を続ける機動隊が近くの住宅街に立て籠っていたのだ。
「そーくん、おそとどうしたの?」
「だ、大丈夫だよ。ここは安全だから……」
「?」
少女は全く気付いてなかったが、聡い少年は察していた。
“外に出たら、危険だ”ということを。
「りの、ちょっとおそとみてくるねっ!」
「え、待ってよ!え、待ってってば!」
無我夢中で(或いは何も考えず)階段を下る少女は、防弾ジョッキや小型の銃(生憎、少女はその型や種類などは分からなかったが)で武装した女性にぶつかった。