Short storys

□ずんずん
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 今年もまた
 春の声が聴こえてきた

 悲しみでは無い
 泣き声が聞こえる
 不安に満ち溢れた、泣き声

 私はまた、闇へと潜る
 深い、深い、闇へと潜ってゆく

 春の声は、近づいてくる
 それより早く、私は潜る
 でも春の声を聞いていたくて
 私は耳を澄ませて潜る
 そうしたら

 希望に満ち溢れた春の喜びの声が
 微かに、微かに聴こえてくるから

 私は光を探して浮かんでくる



 そして、春に出会うから


 希望の春が、やってきた。

<Fin.>
 

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