MONOKURO
□設定
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■世界観■
そこは一つの世界。
私たちが住んでいる世界とは、
また、違った様相をしている。
そこはパラレルワールドの中でも、
かなり変わった部類に入る世界。
『もしも皆に名前が無かったら』の世界。
それがこの世界だった。
自分は“自分”であり、
“自分”以外の何者でもない。
例えば目の前に一人の男性が居る。
私たちは、その人をどう捉えるだろうか。
例えばその男性が黒髪だったとする。
長髪だったとする。
背は、高めだがそこまでではないとする。
蕎麦と、天ぷらが好きだとする。
黒の教団のエクソシストであるとする。
貴方がその人を知っているならば、
その情報を全部記憶した上で、
『神田ユウ』として処理するだろう。
しかし、彼らは違う。
彼らは、『神田ユウ』と言う存在を、
《自分とは異なる“自分”》と
処理するだろう。
例えば、あなたが言う。
「私は神田ユウが好きです。」と。
この場合、
あなたが神田ユウを好きかどうか、
というのは全く関係が無い。
もし彼らなら、
「“わたしという自分”は“あなたという自分”が好きです。」
と言う意味をこめて、
「“自分”は“自分”が好きです。」
と言うだろう。
つまり、彼らは“自分”の中に
私たちが『神田ユウ』として処理した
情報を入れているのだ。
誰かが“自分”といえば、
相手は誰をさしているのか、
おそらくテレパシーのような方法で
感じ取っているのだろう。
そんな世界だった。
名前という‘色’の無い、
MONOKURO≠ネ世界だった。