無人探査機
□緑ちゃんの藍色ノート
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……どれだけ時間が経ったんだろう。
僕は、いきなり射し込んできた光に、目が眩んだ。
いや、ノートだから目は眩まないけど、確かにそんな気分だったんだ。
久々の緑ちゃんの顔。
僕が覚えているより、少し大人びた顔をしていた。
「そうだ、これこれ」
真っ直ぐに僕を手にとって、笑いかける。
「気に入ってたんだよね。でも、埃まみれだなぁ」
そう言って緑ちゃんは、懐かしい勉強机に僕を置く。
そして、カッターで切り始めたんだ。痛いよ、緑ちゃん。
ちょっと大人になった緑ちゃんは、少し粗雑になっていた。
僕は、表紙を全て切り取られ、中身だけになった。
緑ちゃんは藍色のファイルで僕を挟んで、こう言う。
「君は今日から藍色ノートだ!」
藍色ノートの僕は、今日も元気に緑ちゃんのカバンの中。
看護学校に向かう真っ最中です。