無人探査機
□空を見上げてビー玉と雲
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「やあ、吉和さん。お昼ご飯中? ご一緒してもいいかな?」
「あの……どちら様?」
どちらかと言えば優男な感じで、人懐っこそうな笑顔を見せる彼を、私は知らなかった。
違う学年の人だろうか……。
そう思ったけど、タイの色が同学年である、ということを告げていた。
「もしかして、覚えてない?」
私は首肯する。
「同じクラスなんだけどなぁ……。じゃあ、改めまして。音木鶫(つぐみ)です」
「……吉和そらです」
私は名乗りつつも、内心驚く。
音木くんって地味で、目立たない優等生ちっくな眼鏡クンだったから。
「もしかして信じてない? ……ほら、どう?」
眼鏡をかけて、前髪を下ろす。
本当だ、音木くんになった。
「空が好きなの?」