東方真陽空
□幻想世界の妖怪烏の1日
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「ねえナズーリン…本当にここなの?」
「そうだ。ここに反応してるんだ。」
葉が紅く色づき始める時期の山を二人の妖怪が何かを探しながら歩いていた。
一人は烏の妖怪で、黒い翼を持っている子供であり、もう一人は、子供にナズーリンと呼ばれた鼠の妖怪で、二つの細い棒みたいなものを持ち、鼠の耳や尻尾が生えている妖怪がだった。
「ふーん…もしかしたらナズーリンが今踏んでる人間だったりして…」
「人間……?あ…」
ナズーリンは人間の上に乗っていることに気づき、慌てて降りる。
「今気付いたの?」
「准…それを早く言ってくれないかい?」
「あははは。ごめん。それよりなんで人間が……!?」
「これは……」
ナズーリンと准と呼ばれた妖怪は驚いた。
右腕があり得ない方向に曲がっていたのだ。
人間の体の状態をみると息はしているようだ。
わき腹等をあまり痛すぎないように少し強くさわると呻き声が人間がでた。
「………!准!!この人間…」
「これはまずい…
多分骨が折れてるかもね…
ひとまず宝探しは中断してこいつを寺に運ぼう!
ナズーリンは先帰って白蓮にこの事を伝えてて、こいつは僕が運ぶから」
ナズーリンが、ここまで来た道を戻っていき、准は、大人の身長ほどある人間を背負って、自分が住みかにしている寺に向かって歩いて行った。