兎の詩
□祈り
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駄作の僕の苦しみが君に理解出来ないように、駄作の僕には君の苦しみや悲しみが理解出来ない。
当然だと思っていた。
他人だから当たり前なのだ、と。
でも。
最近はちょっと変わったような気がする。
君に出会った。
君は僕に沢山の楽しみを教えてくれた。
沢山の人と通じていく心地よさを教えてくれた。
沢山の人から、更に沢山の人に繋がっていく楽しさを。
僕は今なら言える気がする。
僕は君と『似た』気持ちを共有したいのだ、と。
…それは、君と全く同じ気持ちじゃなくてもいいんだ、ということに気が付いたから。
苦しさを分け合って、
楽しさを倍にする。
そんなありきたりで少し恥ずかしい台詞しか、今の僕には出てこないのだけれど。
それでも…。
君と同じ時間を。
同じ気持ちを。
同じ愛を。
この愚かな僕に下さい。