兎の詩

□静かな夜に
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静かな夜に
君の夢を視た

君はひとりで
どんどん先へ進んで
僕を置いていく。

夢から醒めたら、
夢であったとしても。

静かな夜に
君の夢を視た

君は笑っていたけど
実は本当は
笑っていなかった。

それは結局
偽物なような気がして。

まだ明るい朝に
君の夢を視た

浅い夢のなか
君は僕に向かって
何かを叫んでいた。

『バイバイ』『さよなら』『また会おうね』

なにか、
そんな別れの言葉を。

目が醒めたら
君は居なかった

ぽつり、ひとり
僕は泣いた。

君が言いたかったことは
これだったのか。

気付かなかった、
気付けなかった、
気付きたくなかった!

いっそ、
夢から醒めなければ。

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