お嬢様は探偵さん 壱
□お嬢様は探偵さん
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二階に向かう途中、踊場にあるマリア像に"ご機嫌よう"と挨拶し、お辞儀をする。
これが表の僕様ちゃんだ。
顔を上げたとき、マリア像と目が合った...気がした。
だが、刹那はそれを無視して教室に向かった。
今日も無事に教室に逃げ切れた...と思う...。
席に鞄を置くと可愛らしいソプラノ声が耳に入った。
そこにはいつもの笑顔。
「朝からお疲れvV」
そう思ったなら助けて欲しかったよ、親友...。
刹那はそんな事を思ったが、敢えて口に出さなかった。
こいつがさっき説明した腐女子な親友、香だ。
「嫌よ!私、巻き込まれたくないもの!!」
香は僕様ちゃんの心を読んだように答える。
まぁ、いつもの事だから驚きはしないけど...。
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