お嬢様は探偵さん 壱
□お嬢様は探偵さん
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窓の方を見ればカーテンで遮られているが、日の傾きと色から昼間だと予測する。
反対側の自分の腕を見れば点滴の針が刺さっていた。
視界にある色の無い白い病室の中に色を見つけた。
少しづつ視点を動かせば色鮮やかな花束や、色々な果物の入ったバスケット。
それらの量を見る限り、沢山の人に迷惑と心配を掛けさせてしまったんだなと思う。
刹那はまた視線を天井に戻し、ただすることも無く、ボーっと天井を見詰め続ける。
刹那の呼吸音意外は聞こえない病室にガラリとドアを開く音が響く。
ゆっくりと音がしたほうに目を向ければカルテを抱えた若い看護婦がいて。
「今先生を呼んできますね。」
そう言って微笑んだ後、また何処かへ消えた。
恐らく彼女の言う先生の所だろう。
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