お嬢様は探偵さん 壱
□お嬢様は探偵さん
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『心病んだ少女を無理に教室に行かせるのはよくないよー。』
刹那のあまりにも酷い棒読み。
ミナトは深い溜息を吐いた。
どうやら追い返すのは諦めたらしい。
『どーしよかっかなぁ〜。』
刹那の唐突な言葉にミナトは視線を刹那に戻し、問いかけた。
「何が?」
刹那は一瞬きょとんと言った顔をする。
『ん?いやね、彼女達を黙らせる方法を考えているのだよ、フォレスト君。』
刹那はまるでどこかの芝居の台詞の様な事を言った。
「フォレスト君って誰?」
ミナトは苦笑を浮かべながらも、刹那の前に紅茶を置いた。
刹那はミナトの質問には応える事無く(必要性を感じないから)、ソファーから起き上がり、紅茶に傍にあったミルクと砂糖を入れた。
『ねぇ、この学校から犯罪者が出て、刑務所行きの人間が出たって怒らないでね?』
そう言って紅茶を銀色のスプーンで掻き混ぜ、口に含んだ。
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