闇夜に咲き乱れる罪色の椿姫 弐
□闇夜に咲き乱れる罪色の椿姫
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神姫は睡眠を軽くとり、暗部達と共に木の葉に帰還した。
神姫達が木の葉に着いたのは昼過ぎだった。
たった一週間ちょっとの期間だったのに、神姫には木の葉が懐かしく感じた。
『ただいま戻りました。』
火影邸に窓から侵入すればいつもの怒鳴り声。
それを聞きながらお面の下で笑い、片膝を着いた。
軽い挨拶を済ませ、神姫は報告書を渡した。
『はい、報告書。』
「ご苦労じゃった。」
そして三代目は微笑んだ。
『三代目、ちょっといいですか?』
神姫はしっかりと三代目を見詰める。
「何じゃ?」
神姫は突然窓の方を指差し、叫んだ。
『あれはどーゆー事ですか!?』
「!?」
三代目は初めて見る神姫の怒り具合に驚いた。
「いきなり叫ぶでない!!」
『だって、だって...。何でドア閉めちゃったんですか...?』
神姫は窓に近寄り、動物専用のドアを見つめる。
「最近寒くなって来てのう。隙間風が入るんで閉じてしまったわい。」
三代目は髭を撫でる。
『ドア、閉じないで下さい...。このドアは俺にとって...、大切な思い出なんです...。だから閉めないで下さい...。』
神姫は懐かしそうに、悲しそうに言った。
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