闇夜に咲き乱れる罪色の椿姫 弐

□闇夜に咲き乱れる罪色の椿姫
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「うちはイタチ、のぉ...。」



『何か問題でも?』



言えるワケないよね。



二重スパイなんて、うちは一族を抹殺するなんて。



「...いや。」



ほらね、断れない。



『三代目、いくつかお聞きしたい事があります。』



三代目はその後に続く神姫の言葉をなんとなく予測していた。



「ナルトのことかの...。」



神姫はゆっくりとお面を外し、三代目を真っ直ぐに見つめ返した。



『俺が...あたしがあの子に関係する事以外で自発的に何か聞いたことがあった?』



神姫はそう言い、言葉を続けた。



『なんで三代目はあの子が彼の子と、里の人たちに教えないの?』



まるでナルトに向かう怒りや憎しみが自分に向くのを恐れているように思える。



「ワシはただ、混乱を招かんよう、他国の忍に狙われんようにしておるだけじゃ。」



神姫は予め三代目がこう言うと分かっていた。



用意してあった言葉に神姫は言い様のない怒りの感覚を覚えた。










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