黒豹奮闘記

□第伍幕
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「なんですって?斬る!?」



少し驚いた様に声を上げたのは沖田。
今、沖田と土方と×××の三人は町中に貼られた


【白髪の侍へ!!てめェコノヤロー。すぐに真選組屯所に出頭してこいコラ!一族根絶やしにすんぞ。真選組】


と書かれた紙を剥がしながら歩いていた。
まぁ、キチンと剥がしているのは土方だけで沖田はバケツを持っているだけだし、×××に至っては欠伸をしながら歩いている始末なのだが。



「あぁ斬る」



そう答えながら土方は、また一枚紙を剥がして沖田の持っているバケツに丸めて投げ入れた。



『土方さんは末恐ろしくて堪らねェや。何でもかんでも斬りゃァいいってもんじゃないぜ?まずは痛めつけて楽しまなきゃ始まらねェですよ』


「テメーの方が末恐ろしいわ!!」


『どんな楽しみ方します?やっぱまずは指からですかね?あ、土方さんなら煙草かな?次は足ですかね?あ、土方さんなら心臓に当たるマヨネーズ…もう試していいっすか?』


「テメーは俺を何だと思ってんだァァァ!!!」



すっかり×××のペースに引きずり込まれた土方は力任せに紙を引っぺがした。



「件の白髪の侍ですかィ」


「真選組のメンツってものもあるが、あれ以来隊士どもが近藤さんの敵とるって殺気立ってる。でけー事になる前に俺で始末する」


『近藤さん負かす程の奴なんでしょう?土方さんに始末できますかね』


「フンッ。やってみなきゃ分かるめーよ」



そう言いながら煙草を吹かす土方を×××は黙って見つめた。



「土方さんは二言目には"斬る"で困りまさア。古来、暗殺で大事を成した人はいませんぜ」


『大丈夫だって。俺に任せとけ。古来初の大事成し遂げてやらァ』


「って、てめェは誰暗殺する気だァァァ!!!」



本日二回目の土方に刀を突き付ける×××に絶叫する土方。
×××は舌打ちしてから刀を鞘に納めた。



「今舌打ちしたよね?したいのこっちだからね?……暗殺じゃねェ。堂々行って斬ってくる」


『んな事言ったって、それでアンタが負けたら意味がねェんですよ?』


「…負ける前提かよ」


『だって土方さん。相手は近藤さんをも負かす男ときた。そんな得体の知れねェ奴を相手に喧嘩売るなんざ頂けねぇや』


「フッ。これで副長の座は俺のもんでィ」



「総悟ォ…」


『お供え物はどうします?やっぱマヨネーズ?』


「よォォォしテメーら、剣を抜けェェェ!!!」


『「キャー、コワイコワイ」』


「マジで殺したらァァァ!!!」



土方の体力が180下がった。


 
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