黒豹奮闘記
□第仇幕
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「どうかしましたか?×××さん」
急に大人しくなった×××を不思議に思ったのか新八が声をかけてきた。
『え?…あぁ、何でもねェ』
「?そうですか…?って!!アンタら何!?飲んでんの!?」
新八が目を向けた先では銀時と土方が酒を飲み始めていた。
「あん?勝負はもう始まってんだよ。ゲフッよし次はテキーラだ!!」
「上等だ!!」
「勝手に飲み比べ対決始めちゃってるよ…ってアンタも交ざるんかい!!」
×××はちゃっかりグラスに酒を注いで土方達に交ざっていたのだ。
本人的に頭を使うのが苦手なので酒でも飲んで忘れてしまおうという考えに至ったのである。うん。単純だよ。
そうこうしている間に、未だ続いていた沖田と神楽の対決は苛烈さを増し、とうとうただの殴り合いになっていた。
「だからルール守れって言ってんだろーがァァ!!あれ!?×××さん!?」
『ひっく…うへへ…ひっく…』
殴り合う沖田と神楽にフラフラと近付く×××に新八が驚いて叫んだ。
「やっべ、×××の奴酒好きの癖にスゲー酒弱いんだった…オ゙ェ゙エ゙」
「オイぃぃぃ!!何やってんだ!このままじゃ勝負つかねーし、あんな乱闘に巻き込まれたら×××さんが死んじゃいますよ!!」
嘔吐する土方と銀時に新八が叫ぶがその間にも×××はどんどん二人に近付いていく。
「〇〇〇副隊長ォォ!!そっち行っちゃ駄目ですってばァァ!!!」
「えっ!?副隊長!?」
「そうだよ!!知らなかったの!?ああ!!副隊長!!」
山崎と新八が必死に呼ぶが×××はついに乱闘の目の前にやってきた。目の前には若干神楽に押される沖田。
『ふふ…でへへへ…』
シャキ…
「「!」」
刀の抜かれる音に沖田と神楽は一旦動きを止めて音のした方向を見た。
「×××!」
『へへ…ひっく…でへへ…』
「お前…酔ってんのか…?」
ありえない×××の様子に二人は驚いて固まった。が、次の瞬間
『死ねひょう悟ォォォ!!!』
ビュン!
「うおっ!」
沖田は自分目掛けて振り下ろされた刀を間一髪で避けた。
「あっぶねーな!!何しやがんでィ!!しかもひょう悟って誰だ!!」
『うへへ…』
ヒュン!
「!」
また斬りつけてきた×××の刀をかわす。酔っているせいか太刀筋があやふやだ。神楽はというと離れた所で×××に声援を送っていた。
「チッ…あぶねーっつてんだろ!!」
沖田は怒鳴ると×××の手首を蹴り上げ×××の手から刀を吹っ飛ばした。
その時に踏み込んだ沖田の足に、よろけた×××が蹴つまずいたのは必然か偶然か…
さらにはバランスを崩した×××の足に沖田が、これたま蹴つまずいたのも必然か偶然か…
「!」
『へっ?』
ドタンッ!!