花愛
□手のひらから伝わる
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『はぁ〜…。』
と盛大に溜め息をつく姉。
『姉ちゃん、どうかしたのかッ?!』
『…葉君!!私ってお姉さんらしくないんですかね?』
『…え?』
『この間、葉君と一緒に歩いているところをクラスの女の子に見られてたみたいで『もしかして足立さんの彼氏?』って聞かれたんです!!』
『えっ!!?』
うわっ。姉ちゃんと俺って端から見たらそんな風に見えるのか!?
だとしたらすっげー嬉しいッ
『それで違います!姉弟です!!って言ったら今度は『お兄さん?』って聞かれたんです…。
だって私、葉君みたいに勉強とかゲームや料理とかできないですし…いつの間にか葉君私より大きくなっちゃって…
私ってそんなにお姉さんらしくないんでしょうか?!』
ずぅぅーん…。
『そ…そんなこと…!!姉ちゃんは強いし可愛いし優しいし俺にとっては自慢の姉ちゃんだッ!!』
『葉君…。
そんなに褒められたら私恥ずかしいですよ??』
『だって…本当のことだからッ!!』
『葉君は優しいですねッ私も葉君が大好きですよ。』
そっと俺の手をとって笑顔で言う。
『ッ!!!』恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちで思わず顔が熱くなった。
手のひらから伝わる優しさが思わず嬉しくて、思わず姉を抱きしめた。
『葉君…??どうかしましたか??』
『俺はッ誰よりも姉ちゃんが大好きだからッ!!いつだって笑っててくれよッ!!』
『葉君…ありがとうございます。葉君のおかげで自信が持てそうですッ!!』
そう言ってそっと抱きしめ返してくれた。
そのぬくもりが心地良くてこのまま時間が止まってくれたらいいのにって思った。