小説

□嫌いの反対
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―素直になれないなんてよくあること

でも、たまには素直になってあげようか…?





「…で、そん時に俺が……」


今日もロックオンは朝からずっとひとりで喋っている。


僕は、半分聞き流しながら機体の手入れをしていた。



「…ってティエリア聞いてんのか?」



ロックオンは、僕が話を聞いてないのに気付いたらしく、僕の顔をのぞき込んできた。



「あぁ………君が……弟にケーキを作ってあげようとしたらスポンジが丸焦げになったんだっけ?」


仕方なく適当に返す。



「何分前の話だよ…」



合ってたみたいだ…
が、今の話題ではないらしい。



「だから、俺の事どう思う?って聞いてんの!」



―――は?



「は?…じゃなくてな?俺の事好き?嫌い?」



いきなり何だというのだ。
しかも当の本人はとてつもなく真剣だ。


―――それをミッションの時発揮してほしい…



「なぁ〜ティエリア〜」



どうやら答えるまで退かないらしい。



「まあ、一緒にいて不快だとは思わない…かな?」



まあ、五月蝿いとは思うが…



「なんかビミョーな答えだな…」



…不満らしい。



「じゃあ逆に聞くけど、どんな答えを聞きたかったんだ?」



「大好き」



「論外」



「即答かよ…泣いて良いか?」



わざわざ上目遣いで聞いてくる。


僕がソレに弱いって知っててするのだからたちが悪い。

顔に熱が集まっていくのが分かる。



「なぁティエリア〜、大好きって言って?」



「だ……大…好き」



恥ずかしい…恥ずかしすぎる。


しかも、言えと言ったロックオンは、びっくりしている。


何だというのだ。


人がせっかく素直(?)に言ってやったというのに。




僕がそんな事を考えながらロックオンから視線を外そうとすると、ロックオンが口を開いた。



「ありがとうティエリア…愛してる」



「…………!!?///」


なんでそんな恥ずかしい事がサラッと言えるのだろう。


思わず赤面してしまった…





でも、今日は素直でいてあげる。










「僕も…」









アイシテル







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