捧げ物

□変わらないこと
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「なにやってんだ、てめーら。」

散歩から帰ってきた高杉は自室に見慣れた旧友3人がいることに驚いた。

「遅かったね〜。先にあがらせてもらってたよ。あとハイこれ。」

銀時がのんびりと言うと高杉に綺麗に飾りつけがしてある箱を渡した。
高杉がビリビリと包装を破くと中には饅頭が入っていた。

「何だ、これ・・・。」

「何って、プレゼントだよ。今日は晋ちゃんの誕生日でしょ。」

「あ・・・。」

そういわれて、高杉は絶句した。
忘れてた。
誕生日なんて完璧に忘れていた。
そんな高杉に気付いた銀時がニヤニヤと笑う。

「もしかして忘れてた?」

「そ、そんなことは無い!!」

慌てて否定する高杉に穏やかに笑いながら桂もプレゼントを渡した。
中には、いつも桂の隣にいるよく分からない生物のマスコットだった。

「・・・礼だけは言っておく・・・。」

「わしゃあ、これぜよ。」

坂本は高級な酒を取り出した。
高杉は飛びついた。

「さすが、バカ本は気が利くなァ!!」

「あははははは。今バカって言った?
泣いていい?」

「よっしゃー、酒飲むぞー!!」

銀時はどこからか酒を取り出した。
そこからはドンちゃん騒ぎだった。
ぐでんぐでんに酔った銀時が高杉に襲い掛かったり、桂が女装し始めたりと色々とあった。
誰が何といようといろいろあった。




高杉が目を覚ますと、夜は更けていた。
周りを見ると銀時と坂本が転がりながらも爆睡している。
高杉は窓のところに座ると月を眺めた。

「目が覚めたか」

ふと後ろから声がして振り返ると、桂が居た。

「俺達は変わっていないな。」

「そうかァ?俺はだいぶ変わっちまったと思うがなァ。」

「いや、根は誰も変わってなどいないだろうよ。」

「確かにあのもじゃもじゃ二人はなァ・・・。」

銀時と坂本を見ると桂と高杉は笑った。

「高杉。あまり無茶はするなよ?」

桂は心配そうに言った。
きっとテロなどのことだろう。

「大丈夫だ。」

高杉はフッと笑うと振り返って3人をみた。

「・・・今日はありがとな。」

桂は穏やかに笑い、寝ていたはずの銀時と坂本は片手を挙げて答えた。
高杉は口には出さずに心の中で呟いた。

『俺とあいつらとの絆はきっと変わらないだろうなァ・・・。』










変わらないこと
それは、4人の絆・・・・。

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