華鬼

□20000hit記念
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『うわぁ・・・』

目の前には満開の桜の姿がある

「きれいやろ〜?」

隣には私の大好きな笑顔を浮かべた人がいる

『光晴。ありがと』

「いやいや、真白がうれしそうな顔してくれただけでもうれしいで!」

そう言って元気に笑う光晴

『光晴の笑顔って本当におちつくなぁ・・・』

「ん?なんか言ったか?」

『ううん?なにも言ってないよ?』

「そか。ホンマにきれいやな〜・・・」

桜から視線を外し光晴を見る。
横顔。
桜を見て目を細めている光晴。
その顔はなんだか愛おしそう。

なんだか複雑な気分になる。

(ただ桜を見ているだけなのに…)

光晴にこんな顔をされる桜が何だか妬ましい

そんなことを思いながら光晴の横顔を見ていると不意に光晴がこっちを向いた

「どうかしたんか?俺の顔ずーっと見て」

『へっ!?ななななな、なんでもないよ??!』

「そうなん?それはそれで悲しいわ〜・・・」

『?なんで?』

問いかけると顔を赤くして俯いてしまった。
それにさらに不思議に思ってマジマジと顔を見るとさらに赤くなった光晴が顔を上げた。

「あんな、俺の思い違いとかやったら恥ずかしいんやけどな・・・」



"桜見てる俺見て真白なんだか拗ねてたからな、妬いてるんかな〜なんて思ったんや・・・"




ああ・・・

この人にはばればれなんだね



『そう、だよ・・・』



「あ、やっぱり?」


そういって照れたように笑った。
私もつられて笑う。

『これから大変だね』

「?なにがや?」

『だってわたし、』



"嫉妬深いもん"




そう言ったら驚いたような顔をして

でもすぐに笑って

「ええねん。それで」

て言ってくれた。



やっぱり私この人を選んでよかったな。

なんて思った今日この日

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