薄月鬼
□第四話
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〔ほんの半月ほど前までは俺もそんな疑念しか抱けなかった〕
〔あの夜の戦いで1人の少年を救うまでは〕
〔平成二十五年4月、薄苓中学校門前〕
?【うぁあぁあ!】
ムーン【駄目だ、刀の効果は限りなく薄い!】
ジュピター【此処は俺の槍でやるよ!援護頼むセーラームーン!】
うさぎ【ああ、護衛は俺に任せろ…いくぜジュピター!】
見慣れない制服の小学生が
この様相からみて
左京小学校の児童か…?
?【は ははは】
町民【ぎゃあ!】
羅刹【ひひひひ】
血しぶきが飛び散り がたがたと不快な物音が響く
〔こいつら人間でも鬼ですらねぇ!ぶっ潰れてやがる〕
?【!!? あ】
羅刹【ははは】
羅刹達の暴れように驚いた少年は
立ち竦む
?【? え…?】
泉水【あー…ダメね‥これじゃ羅刹達に太刀打ち出来ないわ。一女ちゃん、こんな時に限って色々手こずるわね】
一女【あたしは仕事をこなすまでよ。君と違って戦いオタクじゃないのよ】
泉水【酷い言い方ね、それじゃあたしが戦いオタクみたいでしょ】
一女【否定はしないのね】
泉水【だけどね、羅刹達があの子を泣かせちゃうまで放置したらよかったんじゃない?】
うさぎ【いくら何でもそりゃダメだろ】
俺はその少年の前に立ち
【運の悪い奴だな】と一言言い捨てた
ムーン【さっさと逃げろよ、羅刹どもに引き渡されたくねえならな】
マーキュリー【あれ、いいの?セーラームーン、この子さっきの見てたんだよ?】
ヴィーナス【余計な話しは控えろ。変なこと彼女教えたら引き留めておく他無くなる。】
?【〔心:夕べのアレ見ちゃヤバいものだったのか〕】
マーキュリー【この子引き留めておいても厄介事にしかならなわよ】
ジュピター【取りあえず追い出せば済むって話じゃ無えだろ、この子の処遇は戻って決めるよ】