薄月鬼
□第十話
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そのとき、桃火が泣き出した何だか突然なので俺は焦った
桃火【っ、うぐ…】
うさぎ【桃……火。】
桃火【……転校……したくない……今の学校の友達と離れるなんて…】
うさぎ【それはあたしや泉水だってそうだよ。でも仕方ない】
桃火【うさぎ……心配させてすいません。薄桜中学校への編入手続き書類を取りに行きましょうか】
うさぎ【ああ、それなら準備してるぜ明日には来るはずだから】
桃火【そうですか、なら話は早いですね。それと、あたし達三人が新しく転校する薄桜中学校の制服は注文済みです】
もちろん転入先の学校の手続きや制服の注文は咲妃先輩が済ませてくれていた
泉水は【今の学校に通うのもお仕舞い…来週からは薄桜中学での新しい学校生活だね】と微笑んでいたが…
うさぎ【泉水〜、泉水居る?】
桃火【泉水…ですか?】
泉水【おはよ、桃火。】
桃火【泉水、来月から新しい学校に慣れれますかね…】
泉水【大丈夫、桃火なら、あたしやうさぎも居るよ】
桃火【そうですよね。】
うさぎ【桃火?】
泉水【うさぎ、どうしたの?】
うさぎ【いや、何もねえよ】
泉水【今の学校慣れたばかりで転校はキツいね…あたしもだけど仕方ないよ。薄桜中には一女ちゃんが居るしね…きっと大丈夫よ】
うさぎ【だよな…】
泉水【うん。ほら、しっかりしな?】
学校が終わり屯所に帰ったとき俺は部活の疲れで休憩していた
美月【あ、うさぎ、桃火、泉水ちゃん…なにしてんだよ】
うさぎ【美月は……淀んだ表情しか知らないだろうけど、桃火は戦い手としても巫女としても優秀なんだ】
美月【だよな、未木も言ってたぜ?】
うさぎ【未来の月の国でも桃火は俺らの姉ちゃん的な存在だった。転校を決断したのも桃火の為だからな。】
何時もは元気な美月が何だか暗い表情を浮かべる
美月【なら良いけど…桃火ならまたいつもみたいに笑ってくれると思うぜ。】
うさぎ【だね、桃火の根気を信じよう、いまは見守るしか出来ないよ】
それから数分後源さんから皆に知らせが回された
源三郎【−−皆、漸く桃火ちゃんの精神が安定したよ。あと2日ほどで元気になるみたいだよ】
土深【なら安心だね!良かったよ】
カレン【よ!みんな!お疲れ様。あれ、皆元気ねえな。昨日のことも在っての事だろ?】
咲妃【うん…まあね。あのね】
土深【よし、誤魔化しなさい、未木】
未木【え、あたしかよ。実は昨夜…】
泉水【説明役は一女ちゃんに任せようね〜未木】
一女【カレン先輩のご想像通り昨夜、学校の転入手続きと引っ越しが他で込んでいたようで、彼女の精神も現在は安定してます、詳細については今晩にでも話します】
カレン【状況なら解ってるぜ。ありがとうな一女ちゃん。昨日の誘い待ってっからな】
泉水【なんか、心配掛けちゃったみたいね、まあ一女ちゃんのおかげで少しは和らいだみたいだね】
美月【そっか。】
うさぎ【いま、生徒会メンバー勢揃いなのに肝心な桃火が居なきゃなやっぱり転校の事ショックだったのかな…】
その時、ドアがガチャっと開く音が聞こえた
土深【あ!もう来てたのか。桃火】
美月【桃火ちゃん、もう平気か?】
桃火【ええ、まぁ泣いたら幾分楽にはなりましたよ。ご心配お掛けしました】
咲妃【ほんと大丈夫かと思ったわよ、桃火もあまりため込まないでね?あたし達は君の味方よ】
泉水【気持ちが落ち着いたなら大丈夫みたいね。】
桃火【まだ完璧に安定とまでは行きませんけど………大分正気に戻りました】
未木【いまの桃火は心に不安を抱えてるんだよな、こんな状態で戦うのはリスクが高いだろうな】
桃火【あたしは退職したことにすればいいですこれからのあたしは【新撰組】元隊士。一般中学生という事にしてください。】
土深【あんた!いま自分で何を諦めようとしてるか解んないの?あんたそれでも生徒会長?!】
桃火【ええ、解ってますよ。土深こそ忘れましたか?あたし達がまだ学生なのは政府から隠すよう言われてましたよね…あたしを退職したことにすれば、あたし達が学生である事実を隠し続けられます。それに精神が安定するまではなかなか戻れません】
咲妃【そもそも鬱病は簡単に治るものじゃないからね………しばらく休んでね】
泉水【桃火が自分で決めたんだもんね。落ち着いたら戻ってきてね。】
うさぎ【層諷邸への引っ越しと薄桜中への転校は嘘では済まなくなるな、桃火を伊東派の目から隠すには屯所も広いとこでないときついぜ】
〔そして、桃火はこの時退職したことになりこれからは生徒会長として【新撰組】を纏めることになった〕
〔一ヶ月後 層諷邸〕
うさぎ【桃火。学校行くぜ(笑)】
桃火【ですね、うさぎ。行きましょうか。此からは単なる友達です。】