薄月鬼

□第四話
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一女【あたしも、未木の意見には賛成よ。無碍に追い出してこの子になにか有れば大変だからね、にしても、こんなに血に狂うなんてね。実際隊務に使えるものじゃ無いわね】


うさぎ【困ったもんだぜ…まさかこんなに危ねぇもんとはな】

一女【怪我人の介抱はどうするの?羅刹達の傷は相当酷いみたい】

うさぎ【制服だけ他校の物に着替えさせとけ、あとは友梨香ちゃんがどうにかしてくれるだろ】

一女【御意】

このやりとりの最中、泉水と先ほどの少年は何時もの通学路にいる

泉水【あ、所でさ色々疲れたでしょ。すこし休憩する?】

?【うん。なんか済まねえな】

…だが、結果とはいえ
年端もいかねえ子供を保護することになるとはな
?【礼言うの遅れちまった、ありがとな。(顔赤らめ)】


俺と一女は少し呆れ顔になった。

?【ち…ちげえよ!礼言い忘れたら駄目だからってことで…その…えっと!】


泉水【へ…えへへへ、あ、ごめんごめんそうよね、あたしが言ったんだもんね】
何故か泉水は笑っていた
それをみた少年は多少俯いている

泉水【あたしは沖田泉水よ、宜しくね、君は?】

?【俺は…土方…美月】

うさぎ【わざわざ自己紹介すんじゃねぇよ】

一女【うさぎちゃん、気持ちは解るけど先に帰るわよ】


泉水【そうね。じゃあ行こうか】


泉水に手首を掴まれ走り出す
なんとしてもこいつだけは逃がしてやらねえと後々危ねえが仕方ねえ

一女【此処にいると後々大変なことに巻き込まれるわ、逃げなさい】

あいつ ちゃんと逃げ切れよな
だが本当にヤバいのはあの羅刹共と戦いながら
あいつを護った俺達だ
あいつを助けた俺達



そんな自分達自身が怖ぇ
俺らが曲がり出した瞬間が在るとしたら
それは多分あの夜だった


第四話 完
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