長編

□第一話
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第一話 〜出会い編〜

―嫌!来ないで頂戴!!

ママ?

―嫌、嫌!!憎たらしい!こんな子産むんじゃなかった・・!!

・・ママ?・・どうしたの?

―近づかないで!お前みたいな子!要らないのよ!!

・・・マ、マ・・

―お前なんか死んでしまえば良いのに!!

 ドクンッ

『っ!!』

キーンコーンカーンコーン学園のチャイムの音と共に私は、目を覚ました

『は、あ・・夢・・?』

最悪な朝だ・・・あんな小さかった頃の夢を見るなんて
私は、夢を振り解くかの様に急いで着替えて寮の部屋から出た
校門を潜り校舎に向けて歩き出した
少しして歩みを止め屋上を見上げると

『やっぱり・・今日もいるよ・・・』

案の定屋上には、白鬼である雪之丞が絵を描いていた(流石は、芸術学科なだけある・・)
その横には、いつもの様に紫色の髪の男がいる
(名前もどんな奴なのかも私は、知らない)
すると雪之丞は、私に気づいたらしく手を振ってきた
私もそれに答える様に軽く手を振り返した
そしてそのまま校舎に入った

ガラッ

私は、教室に入り自分の席に着いた
そのまま用意をしていると同じクラスでありあの桃太郎が話し掛けてきた

祐「あ、あのさ、えっと君は、影夜桜花さんだよね?」

『そうだけど・・・何の用?』

祐「あ、その、えっとさ〜桜花って白鬼と仲良いんだよね?」

そう言えば・・桃太郎は、鬼に呪いをかけられているんだっけ
それにしても初めて会った訳では、ないけど初めて話して呼び捨て
私は、それに少しムッとなりながら言った

『仲が言い訳じゃない・・この学園で初めて知り合ったのがあいつなだけだ
それに何であのゆき・・白鬼と仲良くないといけないの?』

危ない、危ない・・危うく名前を出しそうになった・・
それにしても言い方がきつかったらしく桃太郎が少し目を見開いていた

祐「っ、でも知り合いなんだよね」

『あー、もう・・そうだけど・・何?紹介してほしいならそう言えば?』

私は、またムッとして桃太郎を見た
すると桃太郎は、いきなり私の腕を掴んだ

祐「それじゃあ、行こう!」

『行くって、どこに?』

祐「そんなの白鬼の所だよ、桜花ならわかるだろ」

そう言ったが早いか桃太郎は、私を無理矢理立たせた
そうして結局私は、初めて話したばかりである桃太郎に雪之丞のことを紹介する破目になった

祐「あ、ちなみに俺、桃園祐喜。好きに呼んでいいから」

『あ、うん』

私と桃(そう呼ぶことにした)は、あるガーデニングハウスの前まで来た

祐「ここは?」

『ここにゆ・・白鬼がいるの、黙って着いて来て』

祐「え、あ・・うん」

ガチャ

『ゆk・・あ〜もう!白鬼〜!』

下手に桃の前であいつの名前が呼べない・・・ったく、面倒だなぁ!
そう思いつつ雪之丞に私達は、近寄った
そうすると雪之丞は、私達の方を振り返った
そしてなんともまぁ・・のんきなことを言ってきた

「あれまぁ・・桜花、何〜?隣に男の子なんか連れちゃって〜・・・もしかしてか・れ・し?(ニヤッ」

『は!?んなわけないでしょ!!』

紹介しに来ただけなのに何でそうなんのよ!!
私は、少し赤くなりながらも雪之丞を睨んだ
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