恋の蕾
□恋の蕾Y
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『こんにちは〜』
ブ『あら、いらっしゃい!』
カプセルコーポへお邪魔すると、待ってましたと言うように、ブルマに迎えられた
数年前からブルマの仕事に興味を持ったコウは、毎日とまではいかないが、週に何度か見学に来るようになったのだ
仕事が一段落するとコウを連れ、リビングへと向かった
2人分のコーヒーをテーブルに並べて、コウの向かい側に座った
ブ『コウちゃんは偉いわね』
『そうですか?』
ブ『そうよ!
勉強熱心だし、こうやって週に何度か見学に来るし
その熱心さを、トランクスにも少し分けてほしいくらいだわ』
いずれは、カプセルコーポを背負って立つのだ
だが、当の本人はなかなか興味を持てないのか、関心が無い
一つ溜息をつくブルマに、コウは苦笑い
仕方が無いだろう
成長したとは言え、トランクスはまだ14歳
そんな事より、遊びたい盛りだ
コーヒーが半分ほどになった頃、ブルマは前触れも無く話を切り出した
ブ『そうだ! コウちゃん、わざわざここと家とを行き来するの面倒でしょ?』
『別に、学校の帰り道ですし・・・』
ブ『でも、時間に限りがあるじゃない?
だから、いっその事、ここに住んじゃいなさい!』
『えっ!? 住むって・・』
ブ『あぁ、住むって言ってもずっとってわけじゃないし、下宿みたいなものよ!
こっちの事は気にしないで! 私がいいって言ったんだから、良いのよ!
それに、見学だけじゃなく、体験も多いに出来るわよ〜♪』
『ほ、本当ですか!?』
目を輝かせたコウは嬉しさの余り、テーブルに手を付いて立ち上がっていた
だが、それも束の間
コウの目の輝きがそこでストップし、だんだんと苦笑いになってきた
『・・すみませんブルマさん・・・電話を貸してもらえますか?』
ブルマに断りを入れ、どこかへ電話を掛けた
数分後
パタパタと小走りで駆けてくるコウに、ブルマは飲んでいたコーヒーカップを置いた
ブ『チチさん、なんだって?』
『あ、良いって!
ブルマさんの所なら安心だって言ってました!』
ブ『良かったじゃない!』
コウが電話を掛けた先は、自宅にいるであろう母・チチだった
ブルマがいくらOKを出しても、最終的にはチチの了承を得なければ、ブルマの申し出も水の泡となってしまう
先程、コウの表情がストップしたのも、この最後の難関故であった
しかし、技術科学者になりたいコウの夢を、邪魔するわけにもいかないチチは、快く承諾したのだ
ただし
休みには家に帰ると言う、条件付きでv
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