恋の蕾

□恋の蕾[
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昼休み。
いつものように、弁当を持って屋上に来ていたトランクスと悟天。 フェンスに背を預け、弁当を食べる光景はいつもと変わらない。

しかし、ちらりと横に目をやると、全然箸が進んでおらず、上の空のトランクスがいた。
会話もほとんど無く、何かあったんだと安易にわかる。




天「ねぇ、何かあったの? トランクス君」

ト「……別に」

天「別にって風には…見えないケド…」




ここ3ヶ月。 コウが下宿するようになってから、ずっと機嫌は良かったはず。 だがこの落差、もしかしてコウと何かあったんじゃないかと悩みを聞くことにした悟天。

すると、ぽつりぽつりと話し始めた。




ト「今さ、ママ達温泉旅行に行ってて、家にオレとコウさんの2人だけなんだよ」

天「え?!」




それは、両手を上げて喜ぶところじゃないのか?
好きな人と同じ屋根の下。 しかも、2人きりって、こんなおいしいシチュエーション、自分だったら喜ぶのに…。

と思う悟天だが、目の前のトランクスは、まったく真逆の雰囲気。




天「嬉しくないの…?」

ト「そりゃあ…嬉しいに決まってんだろ」

天「じゃあ、何でそんなに落ち込んでんのさ」

ト「………」




トランクスは、昨日の出来事を悟天に話した。






天「裸を見られたのに、姉ちゃんの反応が普通だったから落ち込んでいたわけだ」

ト「オレ達、もうガキじゃないんだぜ?
少しくらい恥じらってくれても…

それに、お前にも原因があるんだからな!」

天「な、なんでボク?!」

ト「お前が裸で家ん中うろついてるから、コウさん見慣れてたんだよ!!」




悟天の首に腕を回し、締め付けるトランクス。 ギブギブと言いながら、漸く離してもらった。




天「…ボク、もうそんなことしてないよ〜」

ト「嘘つけ」

天「本当だって!
さすがにボクでも、そこまでしないって」

ト「小さい頃は、風呂上がりによく裸で家ん中走り回ってたじゃないか」

天「子供の頃の話でしょ?

それに、コウ姉ちゃんも見慣れてるって、ちょっとおかしいよ」

ト「?」

天「そりゃ、前までは一緒にお風呂にも入ってたけど10歳くらいまでだよ。 それからは、一緒に入らなくなったし…
今でも一緒に入ってたら、ボクでも恥ずかしいし……目のやり場に困るだろうし………」




自分の姉の裸でも想像しているのか、紅くなる悟天の頭を一発殴っといた。





じゃあ、やっぱり
男として見られていない…ってこと……か






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