銀魂

□神隠し
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「姉上、村の人達の言ってた事、気になりますね?」
「…唯の迷信よ。守り神様がそんな悪い事なさるものですか!」
「…はい」


実は、二人が守り神の社に向かう途中、村の大人達が口々に行くなと、止めたのだ。

山の守り神は時として人の子を攫うのだと言われた。
それも決まって七才の子供なのだと…。


けれど、妙は自分の七才の御参りの時、両親からそんな話を聞かなかった事もあり、単に村人が森で迷うといけないからと、止めるのだと思った。


「あ、新ちゃん!あれがお社よ!」
「あ、はい」


漸く社に着いた二人は、知らず安堵の息を吐いた。


『ほら見なさい!大丈夫だったじゃない!』


強気な妙でも、流石に緊張していたらしい。
肩に入っていた力を抜くと、いつ朽ち落ちてもおかしくない程古い社に近付く。

二人でしゃがむと、手を合わせ拝み始める。

暫くして、陽が傾き始めた事に気付き、帰る事にした。


「さっ!行きましょ!」
「はい」


二人は元来た道を下り始めた。



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