連載
□帰還
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「大丈夫?」
「ん、ありがと」
「……」
掛け持ち任務で激務だったとはいえ、ナルトはカカシの疲れ果てた状態に疑問を持つ。
「ねぇカカシ、正直に答えて」
「へ?」
「いったい何日寝てないの」
「…えへ……よ、四日??」
「……カカシ」
「ごめんなさい;;」
つまり、ナルトの元へ早く帰りたい余り、本来なら休息を取るべき時間も惜しみ、不眠不休で走り続けたと言う。
結果、ナルトの元へ辿り着いた安心感から、それまで張っていた緊張の糸は切れてしまい。
限界に達した身体が、襲い来る睡魔に呑み込まれてしまったのだ。
「無茶するんだから」
「だって、さ…早く、ナルトに…会いた…から」
「カカシ?」
等々、意識を手放したカカシは、幸せそうに微笑み、ナルトの手を握りこんで寝てしまった。
「…ル、ト」
「お休み。カカシ」
ナルトは静かにそう言うと、カカシの銀髪を優しく梳き始める。
サラリと指の間から零れ落ちる銀髪。
何度も、愛おしそうに…。
ナルトがカカシにつられて寝てしまうまでその手が止まる事は無かった―――。
おまけ→