なると2
□もしも、四代目が激怒したら
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穏やかな秋空の下。
急遽掛かった緊急召集に、皆不安げな面持ちで集る。
少しでも情報を得ようと周りに居る者に話し掛け者や、落ちつきなく動く者と様々だ。
「モグモグ、シカマル食べる?」
「いらね」
「あぁもう!折角の休みだったのに!!」
「まぁ、そう言うな。里人はおろか任務に就いている者以外の総ての忍びまで召集されるなんて、滅多にない一大事だ」
「もしかしたら数時間前に起きた謎の集団失神の事でかもしれないわね?」
「他里の仕業かもしれねぇって事か!?」
「こ、怖いね…」
「……」
周りの里人とは違い、何とものんびりとした雰囲気を醸し出している者達が居た。
下忍、アスマ班と紅班である。
緊迫した様子は微塵もなく、至っていつも通りの彼等。
そんな彼等はかなり異様に写るらしく、雑多に混み合う人々の中にあっても、そこだけポッカリと空間が空いている。
「あ、いの…」
「お前等か…」
「…サクラ!?」
そんな敬遠気味の彼等に、声を掛ける勇気のある者が…。
「来てたんだ;;」
「当たり前でしょ!って、顔色悪いわよ!?サスケくんまで!?」
「は、はは…;;」
ナルトと別れ、広場へと下りてきたサスケとサクラの顔色は、決して良いものとは言えない為、いのは驚き、心配そうに顔を覗き込んできた。
「メンドクセーが、ナルトは一緒じゃないのか?」
「ナルト…」
「アイツは…」
ナルトの名が出た瞬間、二人の顔色は更に悪くなると同時に、遥か遠くを見やる。
「え、ちょっと…大丈夫?」
「おい、大丈夫か?」
紅とアスマが様子のおかしい二人に声を掛ける。
他の下忍達も、個々の違いはあれど、皆心配してくれる。
だが、どんなに心配されようとも、気分が浮上する事はなく、二人は唯唯乾いた笑いを浮かべるだけだった。
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