なると2
□もしも、四代目が生きていたら
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昔妖狐ありけりその狐九つの尾あり
その尾一度振ふらば山崩れ津波たつ
これに困(こう)じて人ども忍の輩を集めけり
僅か一人が忍の者生死をかけこれを封印せしめる…
その忍の者 名を『四代目火影』と申す
木の葉の国に九尾が襲来し、四代目火影によって封印されてから4年の歳月が流れた。
数多くの忍が命を落としたあの惨事を未だ引き摺る者も多いが、皆木の葉の里を他国から守る為、日夜努力を惜しまぬのだった。
さて、この里を救った英雄の一人、四代目火影はと言うと…。
「火影様!火影様ー!!」
「いらっしゃったか!?」
「いえ、どちらにも!」
火影執務室の前で二人の上忍が鉢合わせ、互いの情報を交換し、また思い思いの場所へと散っていく。
少し開いた執務室の扉から見える室内には、立派な机が中央に鎮座している。
その机の上には書類が幾つも山の様に築かれていた。
その山の一つを見ると、一枚のメモ用紙が無造作に置かれている。
メモ用紙には一言。
『探さないで下さい』
と、火影の直筆で書かれていた。
それを、追加の書類を持って来た火影付きの忍が発見した時には既に遅く、火影の気配は愚か姿まで見当たらない状態で…。
直(タダ)ちに火影捜索隊が編成されたのであった。
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