連載

□帰還
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草木も眠る丑三つ時。

木の葉の里と外界を隔てる大門は安全の為、夜には閉ざされてしまう。
しかし、常識とは異なる時間帯が行動の基本となるが忍びの常。
そんな彼等の出入りは高く聳(ソビ)える外壁からとなる。

外壁には、チャクラを感知する装置があり、出入りする際には、外壁にチャクラを流し込むのが決まりである。
チャクラは指紋等と同様に、個々で微妙に異なる為、敵が通ればすぐに分かるのである。



本日も闇に紛れた影が忙しなく外壁を行き来する。
そのどれもが、動物を模した面を着ける暗部と呼ばれる忍び達で、皆気配も足音すら殆どさせず走り去って行く。

そんな折り、白銀色の狗の面を着けた暗部が一人、外壁を飛び越えやって来た。
他の者とは明らかに違う動きをするその暗部は、一直線に里の中心へと疾走する。
三代目火影が居るだろう、火影の執務室へと…。


「火影様。尭及びはたけカカシ、只今帰還致しました」
「ご苦労じゃった」


薄暗い一室に、音も無く現れた一人の暗部。
突然現れたにも拘わらず、木の葉の長である三代目火影は驚くでも窘めるでもなく、唯静かに労いの言葉を発した。


「これより、長期任務の疲れを癒やす為、尭、カカシ両名に二週間の休暇を言い渡す」
「御意」


そう言い残し、カカシは来た時同様、静かに部屋から消え去った。



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