□結界師□
□後悔
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深夜の烏森学園。
そこには、まだ幼い子供二人が、各々一体づつ妖犬を連れ、妖退治に勤しんでいた。
「ちょいと良守ぃ!アンタやる気あるのかい!?」
「うるさい!俺だっていっしょうけんめいやってるんだい!」
「…はぁ……」
墨村家に仕える妖犬斑尾が、現在の主の不甲斐無さに激を飛ばすも、そんな言葉をすんなりと受け取る主、墨村良守ではなく、売り言葉に買い言葉で叫び返してくるのだった。
すると斑尾は少し黙った後、嫌味を込めて盛大な溜め息を一つ吐き出す。
「あぁ〜!もうっ!け「結!」」
「あ…時音」
良守より一瞬早く妖を結界に封じ込めたのは、雪村時音。横に浮いているのは彼女を主とする妖犬白尾だった。
「こんな雑魚相手にいつまで手間取ってんのよ!」
「よっし〜は、のんびり屋さんだからな〜」
「う、うるさいやい!見てろよ!今日こそ負けないんだからな!かくごしとけよ〜!」
そう叫び、脱兎の如く走り出す良守に、またも溜め息を付くと、良守の後を追いかける斑尾。
時音は肩をすくめると白尾を促し、良守とは反対の方へと歩いていく。