銀魂

□野良猫とお風呂
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西の空に太陽が傾いた頃。

一匹の猫に悲劇が迫っていた…。


志村家の縁側で仲良く眠る二匹の猫。
毛艶も良く、手触りの良さそうな黒い毛色の猫は新八と言う名を付けられ、この家で妙という少女に飼われている。
その新八の後ろ足に頭を乗せ眠るのは、汚れ具合や毛艶を見る限りでは野良猫らしい。
灰色のくすんだ色にボサボサの癖毛。
癖毛は、汚れやら泥やらでゴワゴワとしているが、洗って手入れをすればきっと見違えるだろう。

そんな二匹に忍び寄る影が一つ…心底楽しそうに呟き癖毛の猫ににじり寄った。

「お風呂沸いたから入りましょうね、野良猫さんvVふふ、ふふふふふ」

警戒心の強い野良猫に気付かれずに近付く為、気配を消す妙は、最早普通の少女とは言い難いモノがあった…。
とうとう二匹の側に到達し、しゃがむと、徐(オモムロ)に野良猫・銀時を抱き上げた。

『ん…?』

得も言われぬ浮遊感に目を覚ました銀時。
起きざまに目にしたのは、見知らぬ人間が己の身体を鷲掴み、それはそれは不敵な微笑みを浮かべているというモノであった。



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