ぬらひょん
□一日一悪
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奴良リクオ。
6才。
幼子なれど、彼の起床は早かった。
「んぅ…朝だ」
まだ眠たげな瞼を擦り、頑張って起きようとするが、未だ陽も上りきらぬ午前4時。
幼子でなくとも起きるのは辛い時間帯だろう。
現に、この屋敷に何十と住んでいる者の中で、この時間に起きているのは、朝食の支度をするリクオの母・若菜と、それを手伝う雪女と毛倡妓だけだった。
「今日は…、青にしよvV」
そう言うと、薄手の着物一枚では寒いので、黒い羽織を羽織ると、古くて軋む廊下をなるべく静かに歩く。
リクオには、縁側のどの部分が鳴るのか、又どの部分が鳴らないのかを完璧に知り尽くしており、彼の足は迷う事なく進んで行く。
そして、ある部屋の前で止まると、慎重に襖を開け、中を覗く。
「グオォォ…」
「良く寝てるvV」
その部屋の中で眠るは青田坊。
深い眠りの底にいる彼は…リクオが部屋に入った事にすら気付かず寝入ってたままだった。
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